【目次】
プロローグ
第一部 身体と社会
第一章 身体の社会学──身体の被制約性と能動性をめぐる問い
一 身体の社会学──成立の経緯
二 身体の社会学──二つの取り組み
三 身体の社会学の課題
第二部 人間を分ける身体
第二章 障害者/健常者カテゴリーの不安定化にむけて
──「生物学的基盤主義」とアイデンティティ・ポリティックスへの問い
一 障害の社会モデル――障害者の無力化に抗して
二 障害の社会モデルが見落としたこと
三 健常=普通という「実現不可能な理想」
四 障害者と“リハビリ信仰”
五 結びにかえて
第三章 障害者とポスト近代社会のバイオ・ポリティックス
一 障害への社会的アプローチとポスト近代社会
二 日本にみる障害者の身体の統制
第四章 障害者の自立生活にみる「生存の技法」
一 フーコーの「生−権力」論と「生存の技法」
二 障害者と「生存の技法」
第三部 人間をつなぐ身体
第五章 「境界侵犯する身体」──身体のエージェンシーについての試論
一 「何かを引き起こす力」をもつ身体
二 境界侵犯する身体
三 「境界侵犯する身体」のエージェンシー
四 結びにかえて
補遺 「介助者手足論」にみる「サイボーグ身体」
第六章 普遍性の構築──身体の「傷つきやすさ」を起点として
一 人間の「傷つきやすさ」と人権
二 普遍性を阻む問題
三 「傷つきやすさ」に根ざした普遍性の構築に向けて
おわりに
エピローグ
【著者紹介】
後藤吉彦(ごとう・よしひこ)
1977年神戸市生まれ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了、博士(学術)。現在、立命館大学障害学生支援室・コーディネーター。専門は、身体の社会学、障害学、ブラック・カルチャー。