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【2008年9月29日刊行】介助現場の関係性をめぐる困難という課題にたいし、何が
議論されどのような行動がとられてきたか。「健常」を至上とする考え方を問うための論考。
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山下幸子【著】
「健常」であることを見つめる
──一九七〇年代障害当事者/健全者運動から

四六判上製 248頁 ISBN 978-4-903690-25-4 2500円
(書評情報:鉄道身障者福祉協会『リハビリテーション』2009年1月号)
帯付き書影拡大
1970年代障害当事者/健全者運動の軌跡から、障害者に不利益を与える構造の諸相と、健常者としてのありようがいかに障害者に与える影響について検討し、障害者と健常者の関係を規定する種々の仕組みを、具体的場面に即したかたちで考察する。
 現在も多くの介助現場が直面している、関係性をめぐる困難という課題。障害者や介助する健常者にとって何が困難だと認識され、その状況を打破するためにどのような行動がとられてきたのか。そうした議論の蓄積から、「あたりまえ」だと思われてきた健常者中心社会の問い直しを求める。

【目次】

序章

1 問題意識―忘れられない経験を出発点に
2 本書の目的と意義
 (1)実証研究を行うことの意義、(2)「障害」とともに「健常」を議論することの意義
3 考察の対象
4 全体の見取り図

第1章 1970年代青い芝の会運動と関西における健全者運動の軌跡
1 資料分析の方法
 (1)分析の対象とした素材とその収集方法、(2)資料の質の評価、 (3)分析の方法
2 青い芝の会の運動―青い芝の会神奈川県連合会を中心に
 (1)青い芝の会の成立、(2)脳性マヒ者としての自覚、(3)「健全者幻想」との闘い、
 (4)健常者との関係性について
3 関西における健全者運動の展開―第一期:1977年10月まで
 (1)運動初期の体制、(2)健全者運動の活動内容、(3)「新たなる健全者」を目指す
4 関西における健全者運動の展開―第二期:1977年10月から1979年まで
 (1)健全者運動の混迷、そして解体へ、(2)介助関係をめぐる諸問題/小括

第2章 障害者運動から健常者が得たもの―発見・迷い・変革への希求
1 調査の概要
 (1)質的調査という方法、(2)調査の実施法と分析の手順、(3)調査協力者の概要
2 運動を通して得た「発見」
 (1)運動との出会い、(2)生の現実にふれる―在宅訪問での印象、(3)運動を通しての自己の問い直し、(4)障害者と健常者の関係性をどう捉えるか、(5)踏み込む自由/踏み込まれる自由
3 運動への「迷い」
 (1)「緊急あぴいる」をめぐる解釈、(2)介助をやめることと障害者差別を肯定すること、(3)主体性をめぐる問題、(4)健全者手足論の是非
4 変革への希求
5 小括

第3章 障害者の生活保障に向けた取り組み―1980年代の障害者運動から
1 障害者運動の再編から生活問題の発見へ―1980年代前半まで
  (1)「層としての運動」への志向、(2)障害者の生活問題の確認へ―生活要求一斉調査の実施、
  (3)地域拠点の誕生
2 アメリカ自立生活運動の影響
  (1)アメリカでの自立生活運動の始まり、(2)医学モデルから自立生活モデルへの転換、(3)日本の障害者運動と自立生活理念
3 自立生活を支えるためのトータルな生活支援に向けて―1980年代後半以降
  (1)障害者の自立生活に向けた情報収集活動、(2)身体障害者更生援護施設の費用徴収反対運動を通して、(3)居住の場の確保に向けて、(4)公的介助保障に向けた取り組み
4 小括

終章
1 健常者としての自己の問い直しはいかにして行われたか
(1)前提として、(2)自己の問い直しの契機、(3)自己の問い直しと、そこから導かれる関係のありよう
2 1970年代運動から発展的に継承された課題
3 これから考えていくべきこと

あとがき

参考文献一覧

資料 1 自立障害者集団友人組織関西グループゴリラ連合会 規約
   2 自立障害者集団友人組織関西グループゴリラ連合会 紹介パンフレット
   3 緊急あぴいる
   4 緊急アピール
   5 薔薇の花計画