2017年4月、オーストラリアからクリスティーン・ブライデンさんが来日します。クリスティーンさんは1995年、46歳で認知症と診断された後、一念発起して世界に飛び出し、認知症の世界事情を大きく変革しました。彼女の2作目の著書『私は私になっていく』(注)の原題は、“Dancing With Dementia”─認知症とダンスする─でした。
彼女は認知症とダンスし続けてきました。暮らしの変化、認知機能の変化に合わせたステップを踏み続けてきました。時にはダンスをやめて、ひと休みしたい時だってあるでしょう。でも、認知症が奏でるダンスのメロディは、止むことはありません。「認知症は人生の全てではない」けれど、「認知症をやめることは(今の医学では)できない」から。
著書の中で彼女は、「認知症とダンスすることで適応してきた」と言っています。今回は、私が出会った人の「認知症とのダンス」をご紹介します。