先日、新刊書が出来てきて取次に見本出しにいったら、窓口でえらく待たされたことがあった(11時にいったのに終わったのが12時過ぎ)。その窓口担当者と、私の前に来ていた何社かの版元さんとの交渉がそれぞれ物凄く長いのである。後で聞けば、すべて重版配本の部数交渉でしかも版元側が短冊をすてて減数してくるという。オバマ本である。何せ新刊発売前に何万部という重版が決まってしまい、それも減数配本だというのだから、とんとそんな話に縁のない当方は、「はあーっつ」と聞くばかり……。
柳の下にドジョウが何十匹もいるらしく、ジャンルとしての「オバマ棚」が出来ていて今もなお堅調らしい。そりゃあ、就任演説は私もついつい見て、おかげで体調崩したのは事実だけど、なんでそんなにいつまでも……。他に考えないといけないこともたくさんあるだろうに、などとひねくれものの私はまた思ったりしてしまう。とっとと、日常のやるべきことするべきことに戻りましょうや!
というわけで(何が?)、わが方も、この2月実は重版ラッシュなのであります(先ほどのオバマ本とは部数の桁が一桁二桁違うのですが、今や新刊書1点年に1000部売るのも大変な専門書版元としては、めでたいことであります)。以下、ご報告。未読の方は是非!
木村晴美さん『日本手話とろう文化』…4刷出来!小社の刊行図書で4刷は初の快挙。木村さんのこの本は続編も準備中です。そちらも乞うご期待。
吉川かおりさん『発達障害のある子どものきょうだいたち』…初刷刊行から3ヶ月で重版。図書館からの追加発注が切れずにずっときています。親・保育・教育関係の方々からのリクエストが多いのだと思われます。
寺本晃久さん、岡部耕典さん、末永弘さん、岩橋誠治さん『良い支援?』…こちらも初刷刊行から3ヶ月で重版です。読み手から読み手へ口コミできっちり広がっている感じで、個人団体を問わず客注多し!
新刊では、玉井真理子さん、平塚志保さん編による『捨てられるいのち、利用されるいのち』が書店店頭にならんだばかりです。中絶胎児の医療利用をめぐる生命倫理問題をとり上げた重いテーマの本ですが、何を問いの対象とするべきかがはっきりと見えてくる書き物が揃っています。ご一読を。
今月下旬にはもう2点、新刊が出る予定です。立命館大学生存学研究センター編『生存学VOL.1』と、岡本正子さん、二井仁美さん、森実さん編著『教員のための子ども虐待理解と対応』、こちらはまたあらためてご紹介いたします。
さあ、生き難い世を生き抜くための営為や知を形にすべく、仕事仕事!