お約束の学会販売強化「呑んでも朝一出発」月間で、さすがにヘバリ気味である。
研究者もきついが、版元だってそれなりにはきついのだ。ひとりなので、誰かに見ていてもらって報告を聞きにいくなどということもママならず、もっぱらブースで待ち受けたり、夜の呑み会でお話ししたりということになる。この間の土日は「母校」(卒業していない上に愛校心というものがさほど、あるいはさっぱりのほうなのでこの言い方は抵抗ありだが)法政の多摩キャンパスであった学会へ。この地へは30年ぶりぐらいだろうか。昔まだキャンパスなどなかった頃というか、キャンパスにするのはどうよということで何度か来ていたのであったが、なんだかどうもやっぱり……遠い。やはり学生はもっと街中の喧騒というか猥雑というか、そんなところで息をしたほうがと、どうしても思ってしまう(古いといわれればそれまでなのだが)。
それはともかく、『母よ!殺すな』である。東大の長瀬さんがメールで教えてくださって知ったのだが、今販売中の『ビッグイシュー』で、雨宮処凛さんが『「殺される側」からの叫び』というタイトルでとり上げてくださっているのだ。教えてもらって早速四谷の販売員さんのところへ行ったのだが、あいにくの台風で、2日続けて出ていられなかった。ようやく3日目、現物を入手。いやー単純に嬉しい。「彼らの言葉がまったく古くないどころか、目を覚まさせてくれるような躍動感に満ちていることにただただ驚いた」そう雨宮さんは書いている。本当にそうなのだ。もっともっと今を生きる、今という時間を考え抜いて生きている若い人たちの手にわたるべき本なんだ。あらためてそう思う。復刊させていただいて2年。本音を言えばとうに重版になってしかるべきだと思っていた。なかなかそうはいかなかったが、もう少しでそれも見えてきた。読んだ人たちの話なども集めてみたいなどと少し考えてみたりもしている。まだ増補もできるかもしれないとも思ってみたりもする。もっともっとアクチュアルに読まれ、使われるよう、最大限の努力をしたい。まずは、(こんなブログ目に留まるとはとうてい思えないけど)雨宮さんどうもありがとうございました。そしてまだ手にとっていないみなさん。是非!