我はいかにして加齢を感ぜしか――年度末近況報告
某月某日 久しぶりでほぼ徹夜に近い校正作業。自宅の灯りでは老眼鏡がいまひとつ効かない。おまけに花粉の季節でもあり、目ショボ、鼻グジュの状態でちり紙を抱えつつの仕事となる[年を感じる]。「カンテツな女」が、過労死を考える会から批判を受けていたっけななどと、あまり関係ないことを頭に浮かべながら、朝飯抜きで仕事を続け、昼前、会社の近くの吉野家で牛丼を食う。なんだかこういう時は牛丼が良いように思う。そういえば昨晩も終電間際、同じ店で牛皿とお新香でビールを流し込んでから、家に帰って仕事を続けたのであった。
某月某日 西倉実季さん『顔にあざのある女性たち』の山川菊栄賞受賞式に、いつもの如く本をダンボールに詰めてキャリーで転がして出かける。北教組の話はまだ出ていなかったと思うが、会場は日本教育会館。私にとっての最寄駅はJR水道橋ということになるのだが、この駅の西口にはエレベーターもエスカレーターもなく、揚げ降ろしがきつい[年を感じる]。西倉さんのスピーチは先行研究(とりわけフェミニズムにおける)に敬意を表しつつも、それらが見落としてきた事柄への視角の重要さも提示して、見事なものだった。おかげさまで、雨まじりの中そう多くはなかった参加者だったが、本もけっこう売れた。西倉さんあらためて本当におめでとうございました。
某月某日 夜中、また省悟さんの『心の旅』を聴く。DISC2に坂庭ファンならご存知の「松原第七中学校校歌」が入っているのだが(ちなみにこの中学校のHPでもこの校歌のメロディーが聴ける。解放教育・多文化教育にも熱心な学校らしくなかなか面白いHPである)、これはライブ音源で、まず省悟さんがこの校歌を依頼を受けて作った経緯などを話して、その後フルコーラスで歌い、またMCとなって、曲が出来たころ一度学校に招かれて、ブンチャカ、ブラスバンドで子どもたちが歌うのを聴いて嬉しかったという話をし、それがフェードアウトしていくのにかぶせて、実際の松原七中の子どもたちによるブラバンの演奏が入ってくるのである。もちろんそれは省悟さんが今はもういないということと関わってのものではあるのだが、何度聴いてもこのくだりで鼻の奥がツーンとなる[年を感じる]。文脈はまったく違うが、RCの『シングルマン』で、「甲州街道〜」と「 スローバラード」を続けて聴くときもやはり鼻の奥がむずがゆくなる。単独で聴くのと違う何かってやはりあり、それはネットやら携帯やらでバラバラに曲を買っていたんじゃ分からない(と思う)。
本日 新聞で宇都宮健児さんが日弁連の会長に選ばれたことを知る。ときどきは真っ当なことや、ましなこともおきるので、そうあきらめたものでもないなと思い、仕事に戻る。