それでも人は街で生きていかねば
今日、久しぶりでHPの近刊案内をアップした。一気に6本。スカスカになっていたので、近刊予定がないのかしらと、心配される向きもあったようだが、単純に時間がとれなくてアップできなかったのです。まだまだアップするものあるのですが、刊行が追いつかないのではお話にならないので、またそのうちに。
さてアップした中の一本、『知的障害者が入所施設ではなく地域で生きていくための本』は、長らく品切れとなっていてお問い合わせの多かった、2007年小社刊の『知的障害者が入所施設ではなく地域で暮らすための本』を増補改訂してあらたに新刊として、出版するもの。以下は、今回の刊行にあたって、「はじめに」に加えられた文章です。
「2009年、私たちの仲間でこの本にものっている2名の女性の方が、若くして亡くなられました。今現在、まだ私たちの支援の失敗について、明確な整理をすることができていません。この本の出版を見送ることも考えましたが、これから自立生活をしようとしている方は後を絶たず、また、現在自立生活をしている仲間に対しても同じ失敗をくりかえさないためにも、制度の変更とあわせて、現段階で出きる限りの改訂を行ないました。読んで下さった方からのご意見をいただければ幸いです。」
仲間の死という厳しい現実があり総括も未だしという状況で、この間、重版は実現にいたりませんでした。ただ、地域で生きていこう自立生活をしようという人たちは待ったなしでもあり、著者のピープルファースト東久留米の皆さんは、「支援の失敗とこれから」という整理は未だつかないながらも真摯に状況と向き合った新章を書き加え、世に問うて下さることになりました。
「それみろ、だから施設に置いて保護しとけばいいんだ」の声が今にも聞こえてきそうです。でもそうではない、やっぱり施設は出て街で生きていく、それは譲れない。「暮らすため」から「生きていくため」にタイトルは変りました。そこに込められた意味もまた大きいように思います。
本は月曜校了、来月5日〜6日の京都ピープルファースト全国大会がお披露目となります。重たい課題もしょった本になりますが、是非にも読んでいただきたいと思っています。