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2011年02月12日

雑誌『支援』を創刊します

来月、雑誌『支援』を創刊します。
支援VOL.1

「発刊の辞」の〆の言葉は、
「ニーズ」と眼差さず、「当事者主権」とまとめず、シノゴノ言いつつ、ジタバタやろう。そのことも(少し気恥かしげに)宣言しておきたい。

「支援」編集委員会のメンバーは、井口高志さん、岡部耕典さん、土屋葉さん、出口泰靖さん、星加良司さん、三井さよさん、山下幸子さんの7名。創刊VOL.1の特集テーマは「『個別ニーズ』を超えて」、編集委員以外の執筆者に、末永弘さん、前田拓也さん、伊藤智樹さん、熊谷晋一郎さん、田島明子さん、渡邉琢さん、柳誠四郎さん、堅田香緒里さん。

2009年の秋のこと。月一回通っていた連続講座の後の打ち上げの場。多少酒の入ったいつものIさんが、その場にいた三井さよさんと私に「『支援』っていう雑誌を作りなよ。月刊『支援』。ね、ね」とのたまった。Iさんは「俺は本は読まない」と公言してはばからない人物なのだが(だいたいこのへんでIさんが誰なのかは多少事情を知っている方ならピンとくるはずです)、「支援」の実践については筋金入りだし、どんな雑誌を欲しいと思っているのかについては、ふだんのお付き合いからおおよその理解はできる。援助技法のハウツーといったものからは対極にあるものだということは間違いないし、それだったら私だって作ってみたい。でも、雑誌なんて本当にできるのか、こんなちっちゃな版元でそんな大それたことが担えるのか……無理だよなと思う。その日は帰って寝床に入ったが、なかなか寝付けなかった。2日たち3日たっても、もやもやする。「本当に無理かな」。どうしてもあきらめきれず、思い切って三井さんと岡部耕典さんにメールをお出しすることにした。その時のドキドキ感といったらなかった。

そして、石は転がりはじめた……。

以下は、来月18日刊行予定の創刊号編集後記に私が書かせていただいた短文(編集後記は三井さんと岡部さんも書いてくださっています。そちらは雑誌本体をお楽しみに)から。

「…お二人は…会って話しようよと言ってくださった。不思議に「誰と一緒にやりたいか」ということについては、思っていることがほとんど変わらず、すんなりと話は進んだ。編集委員として名前があがった方々への打診・依頼がはじまった。こちらも「なんだかよく分からんが面白そうなメンバーだ」と思ってくださったのかどうか、どなたからも断りの返事はなかった。あけて2010年×月×日が、第1回目の編集委員会。ここまでくれば、一安心である。その後計四回に及ぶ編集委員会(と、必ずの「つきもの」だった打ち上げ)で様々な議論が交わされた。核になる、三井さんの特集巻頭論文草稿が提出されて、夏の終わりには原稿の執筆依頼。チーム座談会による座談会ももたれ、そしていよいよこの春、創刊号刊行ということになった。
 力があって気分のいい人たちが揃えば、いいものになる。それだけは間違いがなかった。手前味噌になるかもしれないが、これまでにないタイプの雑誌になったと思う。雑誌に冠した「支援」という名と、書かれたものたちの中身との間で、とまどいを覚える読者もおられるかもしれない。でも、それこそがこの雑誌の狙いだとも言える…」

三井さんが特集の狙いで書いておられる中に、雑誌そのものの狙いに触れてくださっている箇所があって、その内容をHPの雑誌紹介文にもほぼ引かせていただいた。以下のようになる。
「支援者・当事者・研究者がともに考え、書き、読み、制度や学による分断に対して領域を超えゆくことを目指し、やり方・ハウツーを示すのではなく支援における悩み・葛藤・迷いをそのものとして提示し、そこから見える未来をしつこく問いつづける…」

どうか、手にとっていただきますように。そして2号以降、ともに考え、書き、読む営みにご参加下さいますように 

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