ソーシャルワーク専門職の「分立」化を前提とした精神保健福祉士の「職域拡大」志向の様相とは!

ソーシャルワーク専門職資格統一化のゆくえ

相模原事件と「日本精神保健福祉士協会」の動向

樋澤吉彦【著】

[定価]   本体2,500円(税別) 

[ISBN]978-4-86500-144-0
[判型]A5判並製
[頁数]176頁

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ソーシャルワーク専門職の「分立」化を前提とした精神保健福祉士の「職域拡大」志向の様相とは!
「津久井やまゆり園」事件後の排他的職能獲得活動、精神保健福祉士の略称の「PSW」から「MHSW」への変更という二つの事象から、概念定義が不明確なままの「社会復帰」を如何なる理路で自らの職域拡大に「活用」しているかを、批判的に検証する。

【目次】


序章
 1 本書の目的
 2 本書主題の背景
 3 本書の構成

第1章 「事件」を契機とした精神保健福祉制度の動向 その1――「県報告書」と「国報告書」の要点
 1 Uが「事件」に至るまで
 2 「県報告書」及び「国報告書」の要点
  2-1 「県報告書」――共同会・やまゆり園と県との関係の不備
  2-2 「国報告書」――措置入院制度の不備
3 小括

第2章 「事件」を契機とした精神保健福祉制度の動向 その2――「あり方検討会報告書」の趣旨転換の様相
 1 「二五年改正法」成立までの道筋
 2 「事件」前までの「あり方検討会」の議論のながれ
 3 「国報告書」の要点
 4 「あり方検討会報告書」の趣旨転換の様相
 5 小括

第3章 「事件」を契機とした精神保健福祉制度の動向 その3
    ――「29年改正法案」に対する「協会」の見解・要望の妥当性
 1 「二九年改正法案」に対する「協会」の対峙の姿勢――見解・要望の検討
  1-1 「見解」
  1-2 「要望」
 2 当初法案の趣旨削除後の「二九年改正法案」に対する「協会」の是々非々の関与の姿勢
 3 「二九年改正法案」廃案後の動向
 4 小括

第4章 “Psychiatric Social Worker”から“Mental Health Social worker”への略称変更の妥当性
    その1――精神保健福祉士法制定時の議論の要点
 1 「PSW」から「MHSW」への略称変更議論の整理
 2 「士法」制定の経緯
 3 「士法」制定時の「対象」と「業務」の範囲――「社会福祉士」との「住み分け」に焦点化して
 4 「二二年士法改正」で付加された役割としてのメンタルヘルス
 5 小括

第5章 “Psychiatric Social Worker”から“Mental Health Social worker”への略称変更の妥当性
    その2――精神保健福祉士法制定時の国会議事録にみる「分業」化の根拠
 1 社会福祉士とは「別建て」の資格を設ける「根拠」及びその「是非」
  1-1 社会福祉士と「別建て」資格を創設する根拠とその是非
  1-2 保健医療領域において精神保健福祉士のみ先行して創設が可能となった理由
 2 「士法」制定時に想定されていた精神保健福祉士の「業務」及びその「対象」
 3 「士法」第四一条二項における「主治の医師」による「指導」の意味
 4 その他の論点
  4-1 「士法」附則第2条「受験資格の特例」における受験資格取得方法の差異
  4-2 精神保健福祉士を必置とする等によるインセンティブの可能性
 5 小括

終章
 1 本書のまとめ
 2 子ども家庭福祉分野における新たなソーシャルワーク専門職構想の経緯
   ――ソーシャルワーク専門職資格統一化のゆくえ:今後の研究課題に代えて


あとがき/謝辞
文献