ただ異なる存在を歓待せよというだけではどうにもならないことがある……

知的障害・自閉の人たちと「かかわり」の社会学

多摩とたこの木クラブを研究する

三井さよ【著】

[定価]   本体2,500円(税別) 

[ISBN]978-4-86500-158-7
[判型]46判並製
[頁数]472頁

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解など見つからないなかでひたすら「かかわりの捉えかえし」を繰り返す日々、その先に何が見えるのか…
多摩とたこの木クラブ、その40年をこえるストーリー、そして自らの15年におよぶ「かかわり」の中から、「他者」とともにあるということ「ともに生きる」ということ、その困難とそれでもの希望を根源から問いかける。

【目次】


やや長いまえがき

第1章 やりとりを重ねながら
 1 何を目指し、何をなしてきたのか
 2 たこの木クラブと多摩地域の「ともに生きる」運動
 3 やりとりとして捉えかえす
 4 「ともに生きる」試みの内実へ

第2章 就学運動は何を問うていたか
 1 多摩の支援ネットワークの出発点
 2 養護学校義務化と就学運動
 4 学校をどう捉えるか――エンパワメントか再生産か
 5 サブシステムの生成と、その批判と
 6 その後の展開
 7 排除に抗するとはどういうことか
 8 排除への別様抵抗を求めて

第3章 自立生活の始まりと展開
 1 子どもから大人へ
 2 知的障害や自閉の人の自立生活と支援――身体障害との違い
 3 「情報」「伝達」「理解」のズレ
 4 「生活をまわす」
 5 「生活を拡げる」
 6 地域とのコンフリクトに向き合う
 7 生活や日常の意識化と「待ったなし」

第4章 やりとりを通して折り合いを探る
 1 支援会議では何がなされているのか
 2 「人」とみなしたとしても
 3 ダブル・コンティンジェンシーのかかわりと幅を拡げる
 4 目に見える「人格」や意思のむこうがわ
 5 捉えかえす訓練と経験知の生成
 6 やりとりに引き戻す
 7 「最終ライン」の存在があってこそ
 8 「ともに生きる」試みの軌跡

第5章 生活モデルの時代に
 1 生活モデルへの転換
 2 専門家だけでなく――支援者像の豊饒化
 3 システム化しきらない制度設計
 4 「ともに」ある場づくり
 5 制度のありようと社会のありようと

第6章 それでも「社会」であり続ける
 1 「暴力」をどう考えるか
 2 「わからない」人たちの排除
 3 「暴力」は偏在する
 4 「社会」であり続けることなら
 5 「ともに生きる」とはどういうことか
 6 おわりに――引き継がれるものは何か

補遺 「調査」の概要

あとがき

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