「このへんも津波がきたときあったんだよ。けっこう前だけどさ。」

つなみのあと、みらいのさき

東日本大震災の文化人類学的ストーリーズ

木村周平【著】

[定価]   本体2,300円(税別) 

[ISBN]978-4-86500-198-3
[判型]四六判並製
[頁数]336頁

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「被災しなかった人」である筆者が、居心地の悪さと後ろめたさを抱えつつ震災後通い続けた/ている岩手・大船渡・綾里。
変わりゆく人々や景観に目をこらし、引かれ続ける分断線の中に部分的な共通性を、ひとまとめにされてしまうものの中に差異を見いだすこと。
立ち上がろうとする人々の姿の中に希望と可能性を見いだそうともがき続けてきた文化人類学者による、発災から「復興」そして忘却へという時間の流れに抗いつつ、現在を生きのびていくためのストーリーズ!

【目次】


はじめに――あいだで

第1章 立ち上がる
 大丈夫
 大船渡
 言葉にすること、伝えること
 引っ掛かり
 レジリエンスと文化
 1200年の災害
 重ね合わせ
 「新しい人間」

第2章 見えなくなるもの
 ためらいインフラと被災
 見えなくなる景色
 津波が可視化したもの
 可視化されるズレ
 作られる防潮堤
 再び可視化される
 不可視化に抗して
 折り重なる可視性/不可視性
 未完了の「現在」

第3章 もどって、すすむ
 久しぶりの「オマツリ」?
 地域を代表する?――サカエさん
 地域をまとめる?――アキオさん
 「集団」をつくる――高台移転をめぐって
 オマツリの「全体」
 変化するオマツリ、変化する地域
 中止への回帰?
 重層性と反転
 後の祭り

第4章 つかのま、集まる
 家に集まる
 防潮堤の下で
 仮設から仮設へ
 「家」から「ハコ」へ
 うごく家
 遠くで出会う
 ヤギとミコシ
 その後

第5章 抗して走る
 「終わり」
 人を追いかける
 アンチ・ノスタルジー
 復興の時間
 時間を作りだす――みらい
 再び、波が
 みらいのさきに

第6章 めぐり来る
 流れと漂うもの
 多なるスケール
 海中の盛衰
 タビするものたち
 やって来たもの
 日々の波、非日常の波
 漂う出来事
 関わりのなかで

おわりに――何度でも

参照文献