ソーシャルワーカーになるとはどういうことなんだろう?

ソーシャルワーカーになりたい

自己との対話を通した支援の解体新書

芦沢茂喜・山岸倫子【著】

[定価]   本体2,000円(税別) 

[ISBN]978-4-86500-114-3 0036
[判型]A5判並製
[頁数]264頁

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使える資源の量は多くなったけれど、自分達が動かなくても既にあるもの決められたものの中で行う業務となってしまったソーシャルワーク。だからこそ、そこに「人」が介在する意味を問い直したい。
自らの実践を解体し対話を重ねる中からソーシャルワークの本質に迫る、ふたりの支援者からのメッセージ。
いまこそ、ソーシャルワーカーになりたい!

【目次】


まえがき  芦沢茂喜

Ⅰ おもいおもわれ、ふりふられ──ソーシャルワーカーになりたい私のものがたり  芦沢茂喜

はじめに

第1章 言葉の裏には想いがある
 通訳になりたいヨウコさん
 ヨウコさんの担当になった私の一方的な思い
 すれ違う思いとヨウコさんの反応
 分かったつもり──「クライエントに戻りなさい」

第2章 振り回されるのが仕事
 ヨウコさんのその後と新たな決意
 頻繁に通帳確認を求めるケンタさん
 繰り返される面接要求と突然の別れ
 「振り回したい相手の気持ちは誰が受け止めるの」

第3章 ポジショニング
 医師不足とそれを受けての退院促進
 病院にいることを選ぶシュウイチさん
 すれ違う私と病棟の考え
 退院の障壁は、病院までの交通手段
 「母さん。退院しても良いかな?」
 孤立する私
 「相手を見ているけど、同時に相手から見られている」
 自分を見失い、病院を退職

第4章 私があるのは、私という道具だけ
 市の「こころの健康相談」
 病院の紹介を希望したキョウコさん
 自分の実践を言葉にする

第5章 問題だと思っている人がいて、初めて問題になる
 休日・夜間の23条通報
 近隣の悪口を大声で叫ぶハジメさん
 どこで折り合うことができるか
 大事だったのは役割

第6章 ただその場にいるだけのソーシャルワーカー
 強制的な介入を考える前に
 近隣から嫌がらせをされていると話すタイチさん
 タイチさんの話す世界
 タイチさんと折り合うために──まずは脳神経外科へ
 タイチさんと折り合うために──次に精神科へ
 隣家から見られていると話すトシコさん
 折り合うところを探す

おわりに

Ⅱ その人の世界に出会う──わたしの「世界」とその人の「世界」の接点で  山岸倫子

はじめに

第1章 わたし 育つ
 幼少期
 中学時代
 高校時代
 大学時代
 大学院時代

第2章 わたし 出会う
 乖離する世界の中をすすむ
 生活保護の現場を選んだワケ
 イワシタさんという「存在」に学ぶ

第3章 わたし 冒険する
 他者の世界をうけいれる勇気のみなもと
 わたしを魅了した「困難ケース」と言われる人びと

第4章 わたしと当事者性
 わたしがもっていた当事者性
 当事者性とポジショニング

第5章 わたし かかわる
 場をつくる
 ユミさんの世界をひきだす
 わたしの世界にひきずりこむ
 ミさんの力をひっぱり出す

第6章 彼女-わたし-社会
 チューニングする
 具体的な困難をとりあつかう
 「つなげる」を掘りさげる
 つなぐ
 終結に向ける

おわりに

あとがき  山岸倫子

謝辞