いま、部落問題をどのように語るべきなのか。また、何について語るべきなのか。
いま、部落問題を語る
新たな出会いを求めて
部落差別の解消・解放に向けて多くの課題を抱えたままの日本社会。それに比して、差別に抗う担い手は圧倒的に少なくなっている。水平社100年を前に、部落史・部落問題研究、同和教育・人権教育、部落の若者たち、隣保館という社会福祉資源、識字教室、カースト制度・アジアスタディーズ(日本学)、同和行政、部落解放運動という八つの視点から、いま、私たちには何が必要なのかをあらためて問う!
【目次】
発刊に寄せて 松井珍男子・川﨑正明
序章 いま、部落問題を語る──新たな出会いを求めて 山本崇記
第1章 部落史研究の位置──差別の論理的把握と不断の民主主義革命 対談者:黒川みどり
第2章 現在の部落認識・差別意識にどう立ち向かうか──同和教育と人権教育の成果と課題を「継承」する
対談者:阿久澤麻理子
第3章 若者と部落問題──生き方の模索と多様なマイノリティへの拡がりへ 対談者:川崎那恵
第4章 隣保館活動の可能性──出会いと繋がりをオーガナイズする 対談者:香川県隣保館連絡協議会
第5章 福知山における識字教室の取り組みと女性たち 対談者:地域女性
第6章 アジアから見る被差別部落 対談者:池亀彩
第7章 京都市における同和行政の「総括」とは何であったのか──新たなまちづくりを見据えて
対談者:淀野実
第8章 再論・部落解放運動──差別から「解放」されるとは何か 対談者:山内政夫
対談を終えて 山本栄子