続いてさえいれば、今日もあの人やこの人との明日が育まれる可能性が残されている。

ケアと支援と「社会」の発見

個のむこうにあるもの

三井さよ

[定価]   本体2,300円(税別) 

[ISBN]978-4-86500-133-4 C0036
[判型]A5判並製
[頁数]320頁

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続いてさえいれば、今日もあの人やこの人との明日が育まれる可能性が残されている。
人と人とが直接的に対峙し、向き合う、ケアや支援の現場。今日もまた、法制度や個々人の行為の限界を、掻い潜り、乗り越え、換骨奪胎するため、現場の人たちはミクロな「社会」を発見し、制度を新たに創り、そして明日を目指す。

【目次】


はじめに

第1章 〈場〉の力――ケア行為という発想を超えて
 1 〈場〉という発想
 2 〈場〉の力の素描
 3 〈場〉の力の定義
 4 ケア行為という発想の限界
 5 〈場〉にケア提供者はどう働きかけるのか
 6 ケア行為という発想を超えて

 ▼支援の現場を訪ねて①
  お年寄りの方が、懐も深いし、したたかですよ――エフ・エーさろん
 ▼支援の現場を訪ねて②
  にぎやかさ、明るさと、それを支えるものと――すまいる・ほっとすまいる
 ▼支援の現場を尋ねて③
  おたっしゃで――フェリスモンテ

第2章 「優位に立つ」関係を弱める――支援か虐待かという問いの先へ
 1 虐待防止というけれど
 2 虐待は文脈に依存する(1)――行為の意味
 3 虐待は文脈に依存する(2)――「優位に立つ」とは何か
 4 虐待を防止するとはどのようなことか
 5 「優位に立つ」関係を弱める
 6 かかわり続けるなかで
 7 クリーンさを目指すのではなく、場のセッティングを変える

 ▼支援の現場を訪ねて④
  ちょっと変わったリサイクルショップ――ちいろばの家
 ▼支援の現場を訪ねて⑤
  美味しいものいっぱいですよ――あしたや共働企画
 ▼支援の現場を訪ねて⑥
  特にイジられている人がスタッフです――えるぶ

第3章 出会うということ――足湯ボランティアと被災者のつぶやきからみる素人の力
 1 「何ができたか」よりも「どのように出会ったのか」
 2 足湯ボランティアと書き取られたつぶやき
 3 足湯を受けるということ――大切にされる場
 4 「全部流された」「全部もうダメだ」――絶望と、それでも立ち上がる姿と
 5 ボランティアの聴き方――被災者の問いかけ
 6 寄り添う他者に気づく――被災者の孤独
 7 そこに自分を思う他者がいる

 ▼支援の現場を訪ねて⑦
  最後のひとりまで――被災地NGO恊働センター
 ▼支援の現場を訪ねて⑧
  サービスとしてではなく
   ――法政大学多摩キャンパス・旧ボランティアセンター/館ヶ丘団地ふらっと相談室・ふらっとカフェ
 ▼支援の現場を訪ねて⑨
  関係のただなかで――シャロームいしのまき

第4章 専門職と「ともに生きる」立場と――上田敏と障害者運動の対比からみえる異なるケア提供者像
 1 上田敏をちゃんと読もう!
 2 上田のいうリハビリテーション医学
 3 上田と社会モデルの共通性
 4 専門職としての倫理
 5 社会モデルの潜勢力――「ともに生きる」
 6 専門職であることと、「ともに生きる」との緊張関係
 7 リハビリテーション論と障害学の対話に向けて

 ▼支援の現場を訪ねて⑩
  モノは使いよう!――むつき庵 
 ▼支援の現場を訪ねて⑪
  一人ひとりの弱い人たちが――要を支える会
 ▼支援の現場を訪ねて⑫
  仕事でなく生業として――トータルサポートたいとう
 ▼支援の現場を訪ねて⑬
  ごたまぜで生きる――ウイズタイム/ウイズタイムハウス

補遺 あのころの私に
 1 「この程度なんだ」
 2 分断と世代と
 3 白と黒とで分けられない
 4 降りた痕跡
 5 支援の現場で

おわりに
あとがき(謝辞)
初出一覧
文献