自己を定義し定義され続け、他者との間に存在する差異に気付き
意識するものとしての「留学」
ロケーションとしての留学
台湾人留学生の批判的エスノグラフィー
台湾と日本との「旅」=移動の中から、歴史的に近代化及び国家の政策の重要な一部を担い、
一方、近年の日本では就労との境界が急速に曖昧になりつつある留学の意味を問い直す!
【目次】
序 章 ロケーションとしての留学
ロケーションとしての留学
本書の問題と構成
「親日」とは何か
ポストコロニアル研究における「親日」
「親日」ではない台湾人
湖の一滴
第1章 旅する文化
留学・アイデンティティ・質的研究
批判的エスノグラフィーと本土経験
規範・評価的な真理の主張
客観性の担保・分析の手順
個人と社会システムの関係
旅する文化──新たな文化観
調査のサイト──台北・京都・熊本
文化的スキーマ
第2章 歴史・政治・対話的ロケーション
歴史的ロケーション──本島と内地
政治的ロケーション──台湾と中国
対話的ロケーション──親和と距離
懸隔のロケーション
第3章 先進への憧憬
留学ということ
近代化としての先進
ライフスタイルとしての先進
アメリカへ
多様化する留学
日本語学習者の増加と大衆文化
自律している
第4章 おとなしいということ──アジアのオリエンタリズムと女性性
女性性のロケーション
おとなしいということ
グローバリゼーションとセクシュアリティ
男尊女卑
台湾フェミニズムと留学
等身大の姿
日本社会のリアリティ──若さの規範化
第5章 本土経験──留学とアイデンティティ
台湾海峡
留学とアイデンティティ
文化に対する尊重
本土化と留学
台湾人アイデンティティ
第6章 ロケーションとしてのアジア
ネオインペリアルな風景
他者化による本質主義
ネオインペリアルな風景──現在の日本
ロケーションとしてのアジア
あとがき
参考文献