暮らしに根差しながらまずはかかわるところから始める、
とはどのようなことか。

支援のてまえで

たこの木クラブと多摩の四〇年

三井さよ、児玉雄大【編著】

[定価]   本体2,300円(税別) 

[ISBN]978-4-86500-108-2
[判型]46判並製
[頁数]368頁

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ものすごい勢いで物事が変化していく支援の現場。
発せられた言葉はあっという間に過去のものになり、日々更新されていく。
でも、だからこそ、多摩の人たちが何をしようとしてきたのかを伝えたい。
昔を懐かしむのでもなく、「いま」をそのまま切り取るのでもない、そうした記録を残したい。

【目次】


はじめに──たこの木クラブと多摩の前史  三井さよ
 1 暮らしに根差し、かかわることから始める――たこの木クラブや多摩の特徴
 2 多摩というところ――複数の事業所によるネットワーク
 3 三つの保育園と就学時健康診断反対運動

 コラム たこの木追っかけ日記――たこの木にまつわる諸々のこと①  荒木巧也

第1章 たこの木クラブと多摩の四〇年  三井さよ
 1 多摩で育まれていた土壌
 2 子ども会活動と地域
 3 食べることと暮らしと
 4 青年たちの課題へ
 5 事業を立ち上げる
 6 制度との緊張関係
 7 引き継ぐものは何か

 コラム たこの木追っかけ日記――たこの木にまつわる諸々のこと②  荒木巧也
 Photo たこの木キャンプ(一九九四 道志川)

第2章 支援は〈やりとり〉の連続に尽きる  岩橋誠治
 1 「関係づくり」から「支援」へ
 2 相手があっての支援・その相手とは?
 3 支援をする側/される側――そもそも何を支援している?
 4 わからない相手との関わり
 5 関わり続けるしんどさ
 6 ともに生きるための支援①――制度/支援の利用はレッテル貼りではない
 7 ともに生きるための支援②――たとえ「制度の対象者」と捉えなくても
 8 ともに生きるための支援③――様々な関係を築く中に
 9〈やりとり〉というコミュニケーション
 10 支援は〈やりとり〉の連続に尽きる

 コラム たこの木追っかけ日記――たこの木にまつわる諸々のこと③  荒木巧也

第3章 子ども会から働く場へ――たこの木の三〇年、あしたやの二〇年  和田幸子
 1 たこの木ひろば開設
 2 働く場つくり準備会からたこの木企画へ
 3 はらっぱ開設――たこの木共働企画へ
 4 あしたや開設――あしたや共働企画へ
 5 共に働くって?――最初の思い
 6 制度利用――作業所の補助金から、障害者自立支援法へ
 7 線引きの問題――支援法内事業に移行して
 8 働くということ

 コラム たこの木追っかけ日記――たこの木にまつわる諸々のこと④  荒木巧也

第4章 支援のその先へ――すいいち企画  児玉雄大
 1 すいいち企画との出会い
 2 ある日のすいいち企画から
 3 支援しない支援
 4 交戦しない反乱・ゲリラ作戦としてのすいいち企画
 5 支援のその先へ

 コラム たこの木追っかけ日記――たこの木にまつわる諸々のこと⑤  荒木巧也
 Photo 夏合宿(一九九四 馬頭)

第5章 諦めることを諦める――たこの木クラブのスタッフとしての一〇年間 横田彰敏(聴き手+構成:三井さよ)
 1 たこの木クラブで働き始めた頃
 2 当時のたこの木クラブの印象
 3 転機になったのは?
 4 介助者たちの「温度差」
 5 横田さんの立ち位置
 6 岩橋さんはどう見えるか
 7 デタッチメント

 コラム たこの木追っかけ日記――たこの木にまつわる諸々のこと⑥  荒木巧也

第6章 介助を続けていく  寺本晃久
 1 オーダーメイドで暮らしをつくる
 2 一緒にいることとその難しさ

特別付録 講演録「重度の知的障がいのある人の一人暮らしを支える」  岩橋誠治(編集・ヒビノクラシ舎)
 1 「知的当事者の一人暮らし」と「私たちの一人暮らし」
 2 重度の知的障害者が自らの暮らしをはじめられない理由
 3 重度知的当事者の自立生活支援の系譜と多摩市のたこの木クラブ
 4 「専門性」と「支援のレシピ」
 5 地域移行支援事業に関わって
 6 連続する暮らしの中で支援を連続させていく
 7 地域で暮らすということ
 8 事業所によるヘルパー派遣制度について
 9 キーパーソンを育てる
 10 おしまいに

おわりに  三井さよ