〈死〉と〈生〉がともに近くにある社会で生きるということ
[アートミーツケア叢書2] 生と死をつなぐケアとアート
分かたれた者たちの共生のために
私たちひとりひとりの近くにある〈死〉と〈生〉について、
そしてそれらがある社会で生きるということについてともに考えるために。
死がほとんど知覚不可能だった時代から、暮らしの中に少しずつまた〈死〉が姿を現しつつある時代へ。
そうした時代に、いまいちど「共生」について考えるために本書は編まれた。
死を間近に控えた人、亡くなった人、不在の人までも含みこむ、遠く隔たった存在との共存の営みについて、
宗教、儀礼、記憶、死者への関係などから読み解く、アートと社会の再生を願うシリーズ=アートミーツケア叢書第2弾。
【目次】
はじめに 坂倉杏介
第1章
共にある生と死――共創と共生をめぐって 三輪敬之×秋田光彦×本間直樹
第2章
いのちは自分だけのものではない 河瀨直美×秋田光彦
見えないものを見えるように──南三陸町「きりこプロジェクト」、「“生きる”博覧会」などについて
吉川由美×西村高宏
都市生活とコミュニティ──喪失体験を経て 入江杏×坂倉杏介
亡くなった人とともに生きる──ホスピスにおけるケアの営みをもとに 田村恵子×鳥海直美
人や場に寄り添うアートプロジェクト──「やさしい美術プロジェクト」、鳥栖喬との出会いから
高橋伸行×井尻貴子
第3章 スピリチュアリティとしてのケアとアート 本間直樹
生きられる場──日常的実践の聖性をめぐって 坂倉杏介
おわりに 秋田光彦
刊行予告 本間直樹