いま、人と人とのつながりに価値をおく社会福祉の新しいはたらきが問われている!
〈つながり〉の社会福祉
人びとのエンパワメントを目指して
対象領域の拡大によって見えづらくなった社会福祉本来のはたらきに照準し、
人と人、人と環境とのつながりの視点から、
人びとの生活課題解決に向けた新たな展望を描き出す。
【目次】
まえがき
第1部 新しい〈つながり〉の形
第1章 包摂社会の構成要件
──〈つながりの社会福祉〉の地平 西村昌記
1 震災とつながり
2 高齢社会とつながり
3 地域社会とつながり
4 地域を超えたコミュニティ
5 五つの構成原理
第2章 ソーシャルワーク理論における「つながり」 伊藤正子
1 なぜ、ソーシャルワークは「つながる」ことを重視するのか
2 三大援助技術にみる「つながり方」とその活用
3 問い直される問題理解の視点とそのつながり方
4 まとめ
第3章 ホームレス生活をめぐる「つながり」 渡辺 芳
1 問題の所在
2 なぜ「つながり」なのか──「つながり」の社会的背景
3 ホームレスという存在──援助の文脈のなかで
4 路上ホームレスの語りからみる「つながり」
5 ホームレス生活を継続するインフォーマルな「つながり」
6 ホームレス生活をやめる「つながり」
7 ホームレス生活をめぐる「つながり」
第4章 社会的企業の社会包摂戦略
──事業構造とその特質の視点から 熊田博喜
1 社会的企業の諸概念
2 労働による社会的包摂を行う社会的企業の実践事例
3 社会的企業の社会的包摂戦略
4 考察
5 おわりに
第2部 新しい 〈つながり〉の力
第5章 つながりと自殺予防
──スポーツを通した身近な地域のサードプレイスの可能性 和 秀俊
1 問題の所在
2 自殺予防に向けた「つながり」の検討
3 自殺予防に向けた「きっかけ」・「仕組み」の検討
4 まとめ
第6章 子どもを主体としたつながり 加藤悦雄
1 子どもの権利内容
2 子どもの権利に基づく児童福祉
3 子どもをつながりの主体として捉えるために
4 子どもを主体としたソーシャルワーク──子どもの権利による課題解決の実際
5 子ども食堂の機能──子どもを主体とした居場所に向けて
6 おわりに──子どもを主体としたつながりの支援をどのように起動させていくのか
第7章 つながりあう特養家族会 井上修一
1 問題の所在
2 山形県特養家族会連絡協議会設立の経緯─山形県特別養護老人ホーム指導員研究会における言説の分布
3 山形県特養家族会連絡協議会(県家連)の活動と特徴
4 特別養護老人ホーム家族会の存在意義と展開の可能性
第8章 DV被害者のネットワークの構築
──多文化ソーシャルワーク・アプローチを活用した支援の展開 寺田貴美代
1 日本におけるDV被害とソーシャルワーク
2 DV被害におけるソーシャルワークの実践事例
3 結論と今後の課題