ホメオパシーやダウジング、ファシリテイテッド・コミュニケーション……
そのほかたくさんのとっぴな話、まちがった主張をなぜヒトは信じてしまうのか?

ヒトは賢いからこそだまされる 

ニセ科学から衝動買いまで

トマス・キーダ【著】   ニキ リンコ【訳】

[定価]   本体2,300円(税別) 

[ISBN]978-4-903690-68-1
[判型]四六判並製
[頁数]464頁

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ホメオパシーやダウジング、ファシリテイテッド・コミュニケーション、そのほかたくさんのとっぴな話、まちがった主張をなぜヒトは信じてしまうのか?
人間は、統計よりも実話の方が好き。
人間は、すでに信じていることを追認したい。
人間は、偶然の重みをなかなか実感できない。
人間は、外界を誤認することがある。
人間は、単純化をやりすぎる。
人間の記憶は完全ではない。

ぼくらの信念や決定はどうまちがうのか、科学とニセ科学はどうちがうのか、そのパターンをたくさん見ていこう。ぼくたちは、何かを信じる心に関しては、けちんぼになる必要がある。よほど説得力のある証拠が出てくるまでは、信じてしまうのをがまんするのだ。

【目次】


序章 六つの穴
 本書について
 人間には六つの穴がある
 まとめ

第1章 オカルトとニセ科学
 だって本当っぽく見えるもの
 おかしな話、まちがった話を信じている人はこんなに多い
 マスコミの力は大きい
 身の上話を聞かせて──人は事例証拠をひいきする
 ニセ科学って?
 ニセ科学的な思考とは
 ニセ科学的に考えると、何が困るの?

第2章 肩の上の妖怪
 ものすごい話ほどものすごい証拠が必要
 懐疑的な思考法はなぜ大切か
 使える判断テクニック

第3章 科学のテクニックを拝借しよう
 コントロールはきっちりと
 結局のところ、科学って何?
 科学のしくみ
 科学はこうして進歩する
 科学は直感に逆らうこともある
 科学とニセ科学のちがい
 科学者の思考法をマネてみる

第4章 世の中、運で決まることは意外に多い
 正規分布曲線には両はしがある
 表裏、裏表、表表、裏裏
 ギャンブラーの誤謬
 偶然の一致
 迷信が生まれる瞬間

第5章 知覚は現実のコピーじゃない
 予想していたものは見えやすい
 見たいものは見えやすい
 知覚がまちがうとき
 集団ヒステリーという現象
 神経系に故障が生じると
 まとめ

第6章 関連がなくても関連が見える
 テクニカル分析は役だつのか?
 全体を見ないとわからない
 それって、本当に原因なの?
 まとめ

第7章 予測できないものごとは、予測できない
 超能力と占星術
 株式市場は予測できない
 経済予測
 今日は晴れるでしょう──雨が降らなかったなら。
 テクノロジーと社会のトレンド
 予測できない、それでも予測したい

第8章 「やっぱりそうだったんだ」と思いたい
 仮説を追認する
 「そうだよ」と言ってもらうのは気持ちいい
 まとめ

第9章 思考の省力化をやりすぎると
 似ていれば仲間
 すぐ思いつくこと=よくあること?
 仮の出発点が足かせになる
 ふだんは役にたつ単純化

第10章 人の判断には癖がある
 もう手にしたものは、なくしたくない
 その予算は別腹
 「そんなの、最初からわかっていた」という錯覚
 人は自信過剰にできている
 直感的判断はプラスαにならない
 個人についての判断と集団についての判断

第11章 記憶はまちがうこともある
 記憶はスナップ写真ではない
 記憶は暗示で変化する
 中身はいいけど、出どころがちがう
 まとめ

第12章 人は他人の意見にひきずられる
 あれ、どうして君だけちがうんだい?
 なにも自分がやらなくても
 あとで説明を求められたらどうしよう?
 その人の話、本当に信じていいの?
 集団による意思決定
 みんなで考えた方が有利なのはどんなとき?

終章 おわりに