アメリカ障害学の原点にして古典となった名著 待望の翻訳刊行!
ミッシング・ピーシズ
アメリカ障害学の原点
──人を半人前扱いするとはどういうことかという問いは、結局のところ、私たち全員に向けられた問いである。
(本書、終章より)
身体(医学モデル)と社会(社会モデル)の二分法を架橋し、アメリカにおける「障害社会学」から「障害者の語りとしての障害学」への分水嶺ともなった、ゾラの主著にして必読の書。
【目次】
序文 ナンシー・メアーズ
謝辞
第1部 その前
序章 「障害の克服」は物語のはじまりにすぎない
第1章 はじまりには理念があった
第2章 初めての理想郷訪問
第2部 その間
第3章 もりだくさんすぎる一日——五月二五日 木曜日
第4章 一日を埋めつくす細々とした出来事——五月二六日 金曜日
第5章 一年でもっとも華々しい夜——五月二七日 土曜日
第6章 自分と向き合い、対話する——五月二八日日曜日
第7章 権力も愛も、分かちあう事は難しい──五月二九日 月曜日
第8章 立っているか座っているか、それですべてが違ってくる──五月三〇日 火曜日
第9章 過ぎ去れど、忘れえぬ──五月三一日 水曜日
第3部 その後
第10章 聞くのも難しいが、語るのはさらに難しい
──身体障害者と慢性疾患患者という実際にはなりそうもないが、なったら問題だらけな世界についての考察
第11章 廃疾にいたる四つの階段——性の否定、怒りの否定、脆弱さの否定、可能性の否定
終 章 インテグレーション、個人、社会についての、締めくくりではあるがとても終わりとはいえない考えのいくつか
解説——アメリカ障害学の原点 杉野昭博