市町村を中心とする子ども家庭福祉行政実施体制へと再構築するためには
どのような理念、制度、方法が必要とされるのか?

市町村中心の子ども家庭福祉

その可能性と課題

佐藤まゆみ【著】

[定価]   本体3,200円(税別) 

[ISBN]978-4-903690-99-5
[判型]A5判並製 
[頁数]360頁

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生まれてきた子どもの誰もが幸せになることを考えるためには、
子どもを育てる責任及び義務と権利を持った親の役割を中心に据えつつも、
種々の変化により弱まった人の力や家族の機能、人とのつながりの中で生きることを広く支えるために、
社会が親と共同の責任を持って支援の仕組み──親自身の事情やそれ以外の事情により、
子どもが親と一緒に生きられない場合や親との関係が葛藤に満ちている場合に、
できる限り子どもに不利益を生じさせない──を用意する必要がある。
子どもを親、地域、国や地方自治体などにより、何重にも支える
ソーシャル・サポート・ネットワークと資源整備が重要という立場から、
子ども家庭福祉を市町村という生活をする地域の中で作り上げていく必要性を論じた労作。

【目次】


発刊によせて──原風景に導かれた研究の書 柏女霊峰

はじめに
第1章 市町村中心の子ども家庭福祉行政実施体制再構築の必要性とその理念
 第1節 研究の背景と目的
 第2節 子ども家庭福祉における円環的前進をめざすために
 第3節 子どもをどのように捉えるか──子どもの特性の検討から
 第4節 子どもの特性に見る子ども家庭福祉の理念
 第5節 子どもを支える体制再構築の必要性──親の必要性と社会的養育の観点から

第2章 子ども家庭福祉の再構築の必要性とその視点
 第1節 子ども家庭福祉行政実施体制の再構築に関する先行研究の知見
 第2節 子ども家庭福祉における固有の視点の必要性
 第3節 市町村中心の子ども家庭福祉行政実施体制に再構築する必要性

第3章 子ども家庭福祉行政実施体制を取り巻く地方間分権の潮流
 第1節 地方分権の動向とその目的および課題
 第2節 他の福祉分野における市町村中心の体制再構築の検討
 第3節 子ども家庭福祉行政実施体制を取り巻く地方間分権の潮流

第4章 協議会型援助による市町村役割強化の可能性と本研究における仮説
 第1節 要保護児童対策地域協議会の位置づけとネットワーク
 第2節 市町村における協議会型援助の課題と可能性──2005年度実施の調査レビューから
 第3節 協議会型援助に関する先行研究の成果と残された課題
 第4節 子ども家庭福祉行政実施体制再構築に関する仮説

第5章 子ども家庭福祉の体制再構築に向かう市町村が克服すべき課題
 第1節 市町村が抱えている子ども家庭福祉の体制再構築の課題とその検討経緯
 第2節 市町村における課題構造化のためのインタビュー調査の目的と方法
 第3節 KJ法による構造化の結果──市町村が克服すべき課題とは何か

第6章 市町村中心の子ども家庭福祉の体制再構築とその課題の実証的検討とその方法
 第1節 質問紙調査の目的、対象、方法
 第2節 倫理的配慮と分析方法、作業仮説
 第3節 分析結果──単純集計、クロス集計、ロジスティック回帰分析の結果から
 第4節 考察──質問紙調査結果からの検討

第7章 市町村中心の子ども家庭福祉の体制再構築における克服すべき課題とその背景
 第1節 インタビュー調査の目的
 第2節 インタビュー調査の対象、調査方法と倫理的配慮
 第3節 インタビュー調査結果と考察
 第4節 子ども家庭福祉の実践を支える理念の必要性

第8章 市町村を中心とする子ども家庭福祉行政実施体制再構築に向けた総括的考察
 第1節 本研究の理論仮説の検証と明らかになったこと
 第2節 市町村を中心とする子ども家庭福祉行政実施体制再構築に向けた総括的考察
 第3節 本研究の限界と残された課題

巻末資料
 資料1:第5章インタビュー調査項目
 資料2:第6章質問紙調査票
 資料3:第7章インタビュー調査項目の例1、2
 資料4:第7章インタビュー調査結果一覧表

おわりに
文献リスト