特集 支援で食べていく /トークセッション 教育の中の支援、支援の中の教育 すぎむらなおみ×倉本智明 ロングインタビュー 薬害エイズの被害者による当事者支援──花井十伍に聞く
支援 Vol.4
特集:支援で食べていく
第4号の特集は、「支援で食べていく」。
支援を「労働」という枠組みにあてはめて考えてしまうだけでは、見えなくなるものがあります。
支援を業とする、そのことを所与の前提として、そのために何が必要かと論を立てていく前に、
支援の内奥をつぶさに見ること、感じ、考えることから始めていこうとする、本誌ならではの特集となっています。
他に、すぎむらなおみ×倉本智明のトークセッション「教育の中の支援、支援の中の教育」、
花井十伍へのロングインタビュー「薬害エイズの被害者による当事者支援」など。
【目次】
特集 支援で食べていく
生きて稼ぐ、と〈支援〉をめぐる試論 岡部耕典
弱さという生業──「生倫理」序説 杉田俊介
新田勲との出会い──地域自立生活を実現し、制度の言葉に魂を吹き込んだ「足文字」の真実 大坪寧樹
ケア・支援の“むき出し”──ケア・支援する人の“こころのパンツ”の脱ぎっぷりと暮らしぶり 出口泰靖
割り切れないままに──「支援で食べていく」をどう考えるか? 三井さよ
日本で初めてEPA外国人介護福祉士候補者を受入れた施設現場の実態と将来展望 塚田典子
介護を仕事とするための要件について──介護資格制度を考える 山下幸子
トークセッション
教育の中の支援、支援の中の教育
すぎむらなおみ×倉本智明 (司会/星加良司・土屋葉)
ロングインタビュー
薬HIV被害者の当事者性とは何か?──花井十伍に聞く(聞き手/井口高志・中塚朋子)
エッセイ
介助に無関心でいられない私 後藤吉彦
「回復の脚本」を書くのは誰か? 平井秀幸
あたしたちは社会のゴミ 上岡陽江
ソーシャルワーカーであり障害当事者であること 河口尚子
ひきこもり支援支援 勝山実
「その人」として出会う──学生をボランティアにつなげるということ 三井さよ
〈分かつこと〉はない。わたしも、「当事者」だから。
──「3つの会@web」の当事者同士の「語り合い」から考える 出口 泰靖
「安心」と「心配」の間のやや難しい距離──バルネラブルな知識の交換のために(3) 飯野由里子
支援の現場を訪ねて
1 しぶたね(Sibling Supportたねまきプロジェクト)(大阪市) 山下幸子
2 エフ・エーさろん(大阪市) 三井さよ
3 すまいる(茨木市) 三井さよ
コラム 支援の周辺
1 「みんなの問題」について考える 井口高志
2 楽に生きるための距離 星加良司
3 生と死のゆるやかな境目 土屋葉
書評
1 人はなぜ介護者になるのか (『福祉と贈与──全身性障害者・新田勲と介護者たち』深田耕一郎著) 堀田義太郎
2 「私的」な経験を切り捨てない社会モデルに向けて
(『軽度障害の社会学──「異化&統合」をめざして』秋風千惠著) 西倉実季
3 「スクールカースト」って、こどもだけ!?(『教室内(スクール)カースト』鈴木翔著) すぎむらなおみ
くまさんのシネマめぐり3
「笑い」の効用を考える──『最強のふたり』『毎日がアルツハイマー』 好井裕明
ブックガイド
「ひとごと」として支える(『海街diary5 群青』吉田秋生著) 土屋葉
偶然開けた留学への道筋(『わが盲想』モハメド・オマル・アブディン著) 斉藤龍一郎
〈政策のリアル〉の底が抜けたとき(『生活保護リアル』みわよしこ著) 岡部耕典
生きることをめぐる「解釈の共同体」からの贈り物(『ひきこもり もう一度、人を好きになる』萩野達史著) 居郷至伸
「異文化」での老いることの記述に私たちは何を見るか?(『老いを歩む人びと』高橋絵里香著) 井口高志
口絵 おたっしゃで 写真・矢部朱希子
表紙挿画 志村雅人