「この本は、前の世紀に出た最も重要な本の一冊であり、再刊が長く待たれていた」
【解説=立岩真也】より。

母よ!殺すな

横塚 晃一【著】  立岩 真也【解説】

[定価]   本体2,500円(税別) 

[ISBN]9784903690148
[判型]四六判上製
[頁数]428頁

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日本における障害者解放運動、自立生活運動の内実と方向性を大きく転換した「青い芝の会」、その実践と理論の支柱だった脳性マヒ者、横塚晃一が残した不朽の名著。
1981年すずさわ書店版を底本とし、未収録だった横塚の書き物や発言、映画『さようならCP』シナリオ、追悼文、年表などを大幅に補遺、解説に立岩真也氏を迎え、決定版として、ここに待望の復刊!
「泣きながらでも、親の偏愛をけっ飛ばす」と言い切って自立生活へと向かい、「あってはならない存在」とされることの不合理を身をもって糾し続けて、人々に大きな影響を与えたその思想は、自立の意味が改竄され、市場経済優先主義の中に掠め取られようとする危機にある今こそ、読まれなければならない!

【目次】


序 母親に殺される側の論理 本多勝一

Ⅰ  脳性マヒとして生きる
   脳性マヒ者の親子関係について
   或る友への手紙
   T婦人との往復書簡
   母親の殺意にこそ──重症児殺害事件の判決を終わって
   施設のあり方について──施設問題への提言
   障害者と労働
   カメラを持って
   脳性マヒとして生きる

Ⅱ 差別以前の何かがある
   ゴロゴロさま
   N女への返信
   差別以前の何かがある
   不合理な存在として
   脳性マヒ者としての自覚
   脳性マヒ者の社会参加について

Ⅲ ある障害者運動の目指すもの
   ある障害者運動の目指すもの
   募金活動をふりかえって
   我々の手で小さな施設を
   優生保護法と私
   優生保護法改正は阻止された
   ボランティアに期待するもの
   鶏にみる「弱者考」

Ⅳ 「さようならCP」上映討論集
   須佐上映会レポート
   防府養護学校上映会
   長崎大学上映会
   九州リハビリテーション大学校上映会
   福岡県社会保育短期大学上映会
   八女上映会
   柳川上映会
   北九州大学上映会
   あとがき
 付録/亡き夫の介護ノートより 横塚りゑ
  駒込病院入院のこと
  手術及びその後のこと
  介護者への手紙
  妻沼行き
  健全者集団に対する見解
  心の共同体

補遺
 1 横塚晃一 未収録の書き物と発言
    雇用促進懇談会に出席して
    話し合いを終わって
    「青い芝」神奈川県連合会第十二回総会(一九七四年五月十九日)での発言
    「青い芝」神奈川県連合会第十四回総会(一九七六年六月六日)での発言
    「青い芝」神奈川県連合会第十五回総会(一九七七年四月三日)での発言
    障害者解放運動の現在的視点
    全日本運輸労働組合協議会への抗議文
    障害者の自立についての青い芝の見解
    河野氏への手紙──大阪から帰った後に、横塚氏が河野氏にあてた手紙
 2 横塚晃一への追悼文
 3 シナリオ さようならCP
 4 青い芝の会・歴史

解説 立岩真也