点字が視覚障害者にもたらしたものとは、そして、残された課題とは何か

点字の市民権

愼 英弘【著】

[定価]   本体1,800円(税別) 

[ISBN]978-4-903690-63-6
[判型]A5判並製
[頁数]128頁

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公文書は点字では受け付けてくれない、点字の署名では金融機関からお金を借りることができない…

点字の市民権には、二つの側面がある。一つは、点字そのものを普及させることによって点字は視覚障害者が使用している文字であるということを社会の人々に認識してもらうこと。もう一つは、点字を通して視覚障害者の権利の回復や拡大を図ることである。 この二つをあわせての“点字の市民権”だが、後者は未だほとんど認知・確立されていない。点字が視覚障害者にもたらしたものとは、そして、残された課題とは何か。あらためて検証する。

【目次】


はしがき

第1章 点字発達の歴史
 第1節 点字の考案
  (1)点字の考案以前
  (2)点字の考案
第2節 日本点字の翻案
 第3節 日本点字の発達
 第4節 点字の仕組みと書き方
  (1)点字の仕組み
  (2)日本点字の書き方

第2章 点字教科書の保障
 第1節 盲・聾学校の分離
  (1)盲・聾・養護学校の統合の動き
  (2)盲・ろう者への教育の動き
  (3)盲唖院の設立
  (4)盲唖学校の分離
 第2節 盲学校における点字教科書の保障
  (1)教育現場の努力
  (2)文部省発行点字教科書
  (3)点字教科書の保障
 第3節 統合教育における点字教科書の保障
  (1)視覚障害児統合教育の幕開き
  (2)求める会の結成
  (3)点字教科書の保障

第3章 点字と選挙権
 第1節 点字投票権の確立
  (1)点字の意義
  (2)地方選挙での点字投票
  (3)普通選挙制度の実現
  (4)点字投票権の確立
  (5)公選法における点字投票
 第2節 点字選挙公報
  (1)点字選挙公報作成の課題
  (2)点字選挙公報の発行

第4章 点字内容証明郵便
 第1節 点字内容証明郵便問題とは何か
  (1)内容証明郵便とは何か
  (2)問題の発端
  (3)問題の本質
  (4)点字内容証明郵便問題解決に向けた取り組み
  (5)解決への急展開

第5章 点字の遺言書と訴状
 第1節 点字の遺言書
  (1)遺言とは何か
  (2)遺言の方式
  (3)自筆証書遺言
  (4)公正証書遺言
  (5)秘密証書遺言
 第2節 点字の訴状
  (1)書面によらない裁判
  (2)書面による裁判
あとがき