特集1:Hate and War: Japanese Question  特集2:オーストラリア・マイノリティ・リポート
特集3:フェミニスト・ジンの現在  特集4:弱さ(弱い身体)からの人間/メディア/ロボット考

生存学 Vol.9

特集1:Hate and War: Japanese Question ほか

立命館大学生存学研究センター【編】

[定価]   本体2,200円(税別) 

[ISBN]978-4-86500-051-1
[判型]A5変判冊子
[頁数]326頁

Amazonで購入

「この号をもって雑誌『生存学』が終わる。[略]
なにか派閥を作ってそれを維持し大きくするつもりなら雑誌という媒体はわるくないかもしれないが、そんなつもりはここにはない。
やりたい人が、やりたいことがあった時に、力を尽くす。それでよいと思っている。
そのとき、どのような活動と媒体がふさわしいのか、このことは時々考えることがある。
ただ結局、その時その時でよりましなことをしていくこと、同時に、そうしてとりあえずの仕事をしていって先延べになり実現しないといったことを避ける、減らす。そんな漠然としたことしか言えない。」(「終刊にあたり」より)
-----
2009年2月の創刊から8年、生きる知恵や技法が創出される現場としての、「病い、老い、障害とともに生きること。
異なりをもつ身体」と向き合ってきた「生存学」の経験や研究の集積を世に問うてきた雑誌、これにて最終巻の刊行。
 

【目次】


立岩真也 終刊にあたり

特集1:Hate and War: Japanese Question
 1:堀田義太郎「差別煽動としてのヘイト・スピーチの悪質さ」
 2:橋口昌治「得体の知れないものとの闘い──「カウンター」黎明期の問題意識と方法について」
 3:鄭祐宗「「外国人学校」への寄付金と税控除に関する覚書」
 4:原佑介「害虫たちのジェノサイド、益虫たちのユートピア」
 5:梁説「鍵はばあさんにあり──老婆の性が世界を変える」
 6:永田貴聖「「韓国」を消費するだけではない日本人の存在
    ──政治的な日韓関係を超える関係についての試論」
 7:笠木丈「『シャルリー・エブド』という罠
    ──キャロリーヌ・フレストの「フェミニズム」とイスラモフォビアについて」
 8:中倉智徳「フランスにおける「イスラモフォビアの社会学」をめぐるノート──概念をめぐって」
 9:竹中悠美「アブグレイブ写真のイコノロジー」

特集2:オーストラリア・マイノリティ・リポート
 1:渡辺克典「特集解説」
 2:マイケル・シーゲル「民族アイデンティティー、歴史認識、そしてオーストラリアの「ヒストリー・ウォーズ」
 3:塩原良和「ネオリベラルな「場所ベース」のアプローチ
    ──オーストラリアのエスニック・マイノリティ政策の変質」
 4:原田容子「西洋とアジアの狭間で──オーストラリアと日本、そして“西洋コンプレックス”」

特集3:フェミニスト・ジンの現在
 1:村上潔「解題:いまフェミニスト・ジンについて考えること」
 2:西山敦子(DIRTY)×村上潔「ジンを「わたしたち」のものとして生かすために
    ──フェミニスト・ジンへのアプローチとその潜在的可能性」

特集4:弱さ(弱い身体)からの人間/メディア/ロボット考
 1:望月茂徳「特集解説」
 2:中島那奈子「ダンスするロボットは老いるのか──老いと踊り研究からの問題提起として」
 3:藤波努「体が発しているものを情報通信技術で読み解く」
 4:池田光穂「スピリットは細部に宿り給う──パースペクティヴィズムを通してみた人間=機械状態について」

特別掲載
 1:やまだようこ「老いることの意味を問う」
 2:マサミ・タカハシ「「アンチエイジング」を問う
    ──歳をとらずにシワをとる? 加齢現象をどのように考えるか」

公募論文
 1:林徳栄(イム・ドクヨン)「韓国の一九六〇年代における「浮浪児」の生成とその政策
    ──ホームレス歴史の観点から」
 2:鹿島萌子「美術鑑賞を行う視覚障がい者への視線に関する一考察」

企画報告
 横田陽子・中倉智徳・小出治都子・枝木妙子(「放射能が降ってくる─ビキニ事件と科学者西脇安」実行委員会)
  「企画展示「放射能が降ってくる──ビキニ事件と科学者西脇安」を開催して」

執筆者紹介・表紙解題(鹿島萌子)・編集後記