さまざまな意味で使用されている「自立」の概念を整理し自立の構造を明らかにする
自立を混乱させるのは誰か
障害者の「自立」と自立支援
「生き甲斐の自立」や「自立した日常生活」等々、意味も概念も曖昧なまま使われることも多い「自立」。さまざまな意味で使用されている「自立」の概念を整理し自立の構造を明らかにするとともに、自立支援とはどのような自立に対してどのような支援をすることなのかを探る。
【目次】
はしがき
第1章 障害者の自立とは何か
第1節 「自立」はどのように使われてきたか
(1)自立と自活
(2)なぜ「自立」を強調するのか
第2節 自立に対するさまざまな見解
(1)「自立」のさまざまな使われ方
(2)「自立」のいくつかの定義づけ
第3節 社会的自立と自立生活
(1)社会的自立
(2)自立生活
第4節 伝統的な自立概念と自己決定
(1)目標とされる「自立」は?
(2)伝統的な身辺自立
(3)伝統的な経済的自立
(4)いわゆる自己決定の自立
第5節 自立支援とは
(1)自立支援
(2)自立と自己実現
第2章 自立の構造と自立支援
第1節 問題の所在
(1)自立という語の嚆矢
(2)曖昧な用いられ方の自立
第2節 自己決定と自立の種類とその支援
(1)自己決定
(2)身辺自立
(3)経済的自立
(4)職業的自立
(5)職業経済自立
第3節 生活スタイルとしての自立
(1)自立生活
(2)社会的自立
第4節 自立の構造
(1)自己決定と他の自立との関係
(2)身辺自立と他の自立との関係
(3)経済的自立と他の自立との関係
(4)職業的自立と他の自立との関係
(5)職業経済自立と他の自立との関係
(6)自立生活と他の自立との関係
(7)社会的自立と他の自立との関係
第3章 障害者権利条約と自立支援
第1節 障害者権利条約の締結と条約の特徴
(1)条約の締結状況と選択議定書の意義
(2)障害の社会モデル
(3)条約の構成
(4)条約の特徴と意義等
第2節 条約の一般的な規定
(1)目的と定義
(2)原則と義務
(3)平等と非差別
(4)アクセシビリティ
第3節 個別の権利
(1)自立生活
(2)移動支援
(3)教育
(4)障害者の雇用
第4節 条約実施上の義務
(1)国内的監視体制
(2)報告義務
第4章 自立支援体制の鳴動
第1節 新たなる障害者福祉関係法制定への動きと後退
(1)推進本部と推進会議の立ち上げ
(2)改正案の上程と廃案
第2節 障害者自立支援法改正案の内容
(1)利用者負担の見直し
(2)同行援護の創設
第3節 視覚障害者福祉充実のためのサービス
(1)改正案の実現
(2)視覚障害者移動支援事業の問題点と課題
(3)その他の改革
第4節 「応益負担廃止」は障害者の一致した意見ではない
終章 「障害」の表記は漢字か仮名か
第1節 「障害」の表記の変更を求める動き
第2節 漢字が良いのか仮名が良いのか
あとがき