「わかりにくさ」「わかりやすさ」ってなんだろう?

知的障害のある人たちと「ことば」

「わかりやすさ」と情報保障・合理的配慮

打浪文子【著】

[定価]   本体1,800円(税別) 

[ISBN]978-4-86500-088-7 0036
[判型]A5判並製
[頁数]160頁

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「ことばができる」ことに価値があるという文化や社会的風潮に対し問いを投げかけ、
社会全体で共有できる「わかりやすさ」の必要性を明らかにすることを通じて、
知的障害のある人たちの多様な表現と共にあることのできる社会のあり方を考える!

【目次】


はじめに
 ◆「ことば」の「わかりやすさ」・「わかりにくさ」とは
 ◆知的障害のある人たちのニーズ
 ◆教育学・社会福祉学と異なるアプローチから
 ◆この本のなりたち

第一部 「わかりやすさ」の必要性を考える

第1章 知的障害のある人たちと「ことば」――情報伝達・コミュニケーションに意味づけられたものをめぐって
 ◆知的障害とは何を指すのか
 ◆知的障害のある人たちと「ことば」――言語/非言語・コミュニケーション
 ◆知的障害のある人たちと「ことば」の関係性
 ◆知的障害と障害の「社会モデル」
 ◆知的障害と「言語権」「言語差別」
 ◆「ことば」へのニーズに応えるために

第2章 知的障害のある人たちと情報保障
 ◆障害のある人たちの情報保障・コミュニケーション支援に関する世界的な動き
 ◆国内の動き
 ◆情報バリアフリー
 ◆情報バリアフリーにひそむ問題点
 ◆情報保障とは
 ◆情報支援から情報保障へ
 ◆知的障害のある人の情報保障における課題

第3章 知的障害のある人たちと「わかりやすい」情報提供
 ◆「ことばのむずかしさ」という問題のとらえ方
 ◆「わかりやすい」情報提供に関する現状
 ◆「わかりやすい」情報提供に関する先行研究の整理
 ◆「わかりやすさ」の必要性

第二部 「わかりやすさ」を作る・広げる

第4章 「わかりやすさ」を作る――「みんながわかる新聞『ステージ』」を例に
 ◆みんながわかる新聞「ステージ」
 ◆「ステージ」の「わかりやすさ」
 ◆「ステージ」の意義と課題
 ◆「ステージ」の編集過程に着目して
 ◆知的障害のある人たちにとってむずかしい語彙
 ◆知的障害のある人たちにとっての「わかりやすさ」・「わかりにくさ」とは

第5章 「わかりやすさ」を広げる――〈やさしい日本語〉との接点から
 ◆「わかりやすい」日本語に関わる領域
 ◆「わかりやすさ」のルールの比較
 ◆知的障害のある人たちへの<やさしい日本語>の応用可能性
 ◆「情報のユニバーサルデザイン」
 ◆情報のユニバーサルデザインの課題
 
第6章 「わかりやすさ」の普及を目指して
 ◆支援の場における「わかりやすさ」
 ◆「情報のユニバーサルデザイン」を進めるために
 ◆「わかりやすい情報センター」の必要性
 ◆知的障害のある人たちへの読み書き支援・読書支援
 ◆知的障害のある人たちの情報発信の多様化
 ◆知的障害のある人たちの「ことば」を受け取るときに

おわりに
 ◆合理的配慮としての「わかりやすい」情報提供・コミュニケーション支援
 ◆「わかりやすさ」は何なのか
 ◆この本の「わかりやすい版」について

わかりやすい版『「知的障害のある人たちと「ことば」』

お礼など
この本のもとになった研究について
参考文献
索引