親の離婚という経験はどのような格差や貧困の問題につながっているのか

家族における格差と貧困の再生産

親の離婚経験からみた計量分析

吉武理大【著】

[定価]   本体3,200円(税別) 

[ISBN]978-4-86500-169-3
[判型]A5判上製
[頁数]200頁

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子ども自身には選択することができない親の離婚という家族における経験に着目し、 子ども自身のライフコースにおける格差や貧困の問題について計量分析から考察。 貧困が解消されない背景として、社会保障制度が十分に機能していない可能性も検討する。

【目次】


まえがき

第1章 家族における格差と貧困の再生産
 1.1 本書の背景
 1.2 現代社会における離婚と家族を取りまく状況
 1.3 ひとり親世帯と貧困
 1.4 本書における検討課題

第2章 親の離婚経験者における教育達成の不利
 2.1 先行研究の知見と理論的整理
  2.1.1 家族構造と教育達成における不利
  2.1.2 理論仮説の整理
  2.1.3 日本における家族構造と教育面の不利
 2.2 本書におけるデータの概要
  2.2.1 先行研究におけるデータの制約
  2.2.2 本書におけるデータの概要と特徴
  2.2.3 データにおける親の離婚経験の変数と分布
 2.3 分析と考察
  2.3.1 仮説と分析方法
  2.3.2 記述的分析
  2.3.3 教育達成とそのメカニズムに関する分析
  2.3.4 教育達成の不利に関する考察

第3章 親の離婚経験者における初職の不利と就業の不安定性
 3.1 先行研究の知見と問題の所在
  3.1.1 家族構造と職業的地位達成
  3.1.2 日本における早期父不在者の職業的地位達成
  3.1.3 非正規雇用および就業の不安定性と貧困・低所得
 3.2 分析と考察
  3.2.1 仮説と分析方法
  3.2.2 記述的分析
  3.2.3 初職の不利と就業の不安定性に関する分析
  3.2.4 初職の不利と就業の不安定性に関する考察

第4章 親の離婚経験者における離婚の世代間連鎖
 4.1 先行研究の知見と問題の所在
  4.1.1 離婚の世代間連鎖と貧困の世代的再生産
  4.1.2 離婚の世代間連鎖とそのメカニズム
 4.2 分析と考察
  4.2.1 仮説
  4.2.2 データと分析方法
  4.2.3 記述的分析
  4.2.4 離婚の世代間連鎖とそのメカニズムに関する分析
  4.2.5 離婚の世代間連鎖に関する考察

第5章 貧困母子世帯における生活保護の受給
 5.1 先行研究の知見と問題の所在
  5.1.1 母子世帯の貧困と生活保護の受給
  5.1.2 母子世帯における生活保護の受給傾向と受給世帯の特徴
  5.1.3 生活保護の非受給の問題
  5.1.4 内的統制傾向と生活保護の受給
 5.2 分析と考察
  5.2.1 データと分析方法
  5.2.2 記述的分析
  5.2.3 生活保護の受給要因に関する分析
  5.2.4 貧困母子世帯における生活保護の受給に関する考察

第6章 知見の要約および今後の展望
 6.1 親の離婚と子どものライフコースにおける格差
 6.2 母子世帯における貧困と生活保護の受給の問題
 6.3 本書の課題と展望

あとがき
初出一覧
参考文献