なぜ、また、どのように、精神障害者がグローバルな規模で連帯し、世界組織として活動してきたのか。

精神障害者のグローバルな草の根運動

連帯の中の多様性

伊東香純【著】

[定価]   本体3,000円(税別) 

[ISBN]978-4-86500-130-3 C0036
[判型]A5判並製
[頁数]370頁

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おかれている状況もそれに対する主張も異なる精神障害者が、どのように出会いどのように連帯し、一つの組織の中で活動してきたのか。
世界精神医療ユーザー、サバイバーネットワーク(World Network of Users and Survivors of Psychiatry: WNUSP)を主な対象として、
その歴史を詳細に追った労作。

【目次】


第1章 はじめに
 1 本書の目的
 2 研究の対象
 3 用語について
 4 先行研究の検討
  4-1 精神障害を治療、管理する実践についての先行研究
  4-2 障害学の分野の先行研究
  4-3 精神障害者の社会運動を対象とした先行研究
  4-4 グローバルな規模の社会運動に関する先行研究
  4-5 消費者主義の運動の先行研究
 5 研究の方法
 6 インタビュイーについて

第2章 世界組織の発足
 1 はじめに
 2 世界精神保健連盟(WFMH)の発足
 3 国連原則の採択に向けた動き
 4 米国における精神医療改革運動(一九六〇年代〜八〇年代)
 5 米国における精神障害者の運動(一九七〇年代〜九〇年代)
 6 世界組織発足前の精神障害者の動き
 7 精神障害者の世界組織の発足
 8 小括

第3章 欧州の組織の発足
 1 はじめに
 2 各地の運動
  2-1 英国における精神医療改革運動
  2-2 イタリア
  2-3 オランダ
  2-4 英国における精神障害者だけの組織の発足
  2-5 ドイツ
  2-6 北欧
  2-7 南欧
 3 欧州のネットワークの発足に向けた準備
 4 第1回総会
 5 メンバーの経験
 6 小括
  6-1 どこで出会ったのか
  6-2 どのように連帯したのか

第4章 組織の名称をめぐる議論
 1 はじめに
 2 世界組織における名称に対する批判
  2-1 第1回総会
  2-2 第2回総会
 3 欧州の組織における名称決定
 4 欧州の組織における名称変更
  4-1 第2回総会
  4-2 「私たち自身の私たちの理解」セミナー
  4-3 ニュースレターにおける議論
  4-4 第3回総会
 5 世界組織における名称変更
  5-1 第3回総会
  5-2 第4回総会
 6 小括

第5章 精神医療のユーザー、サバイバーは精神障害者か
 1 はじめに
 2 「私たち自身の私たちの理解」セミナー
 3 理事の会議
 4 欧州及び国際的な障害者運動
 5 第3回総会における議論
 6 欧州障害フォーラム加盟後
 7 小括

第6章 東欧地域における欧州のネットワークの活動
 1 はじめに
 2 東欧各地における欧州規模の運動の前史
 3 第2回総会
 4 ハムレットトラストとの協力
 5 第3回総会
 6 東欧地域の活動の活発化と欧州デスクの資金難
 7 小括

第7章 対立したままでの連帯
 1 はじめに
 2 国際障害基金
 3 第5回総会
 4 完全な独立に向けた動き
 5 事務局の設置
 6 第1回総会に向けた準備
 7 第1回(第6回)総会
 8 小括

第8章 アジア、アフリカ、中南米地域からの参加
 1 はじめに
 2 グローバルメンタルヘルスの運動
 3 ENUSPとWNUSPの協力
  3-1 第4回ENUSP総会の準備
  3-2 第4回ENUSP総会
 4 第1回総会以降のWNUSPの活動
 5 障害者権利条約の策定開始
 6 LAPの助成金獲得と総会準備
 7 二〇〇四年、ENUSP、WNUSP合同総会
 8 小括

第9章 おわりに
 1 各章のまとめ
 2 結論
 3 本書の意義と今後の課題
  3-1 意義
  3-2 今後の課題

あとがき
文献