生活保護制度を利用する世帯の子どもの「就学機会」、その「縮減」の条件とは何か
「縮減」される「就学機会」
生活保護制度と大学等就学
生活保護制度を利用する世帯の子どもの「就学機会」、その「縮減」の条件とは何か。
「就学機会」は自然と変化していくのではなく、他者(人間、法律、制度等)の介在によって左右される。そして、このことは、他者によって「就学機会」が「縮減」されうることとともに、他者によって「拡充」されうること――つまり、改善の可能性――をも含意する。
【目次】
序章
1 はじめに――「当事者の語り」/生活保護制度における大学等就学
2 問題提起
3 本書の目的と構成
第1章 先行研究の検討――知見と残された課題
1 「制度研究」――生活保護制度における「就学」の取扱い
2 貧困・低所得世帯の子どもの「大学等就学」に関する「調査研究」
3 先行研究から得られた知見・残された課題
第2章 なぜ、「就学機会[注:機会に傍点]」なのか――研究の視点・分析枠組みと研究課題
1 研究の視点――「目的論」と「義務論」
2 分析枠組み――「就学機会」の三つの側面
3 研究課題
第3章 「保護の実施要領」と「当事者の語り」
1 「通知」分析
2 インタビュー調査――「当事者の語り」
3 「当事者の語り」に関する留意点
4 B市の概要
第4章 生活保護制度における大学等就学の「条件」
1 はじめに
2 研究目的
3 分析枠組み
4 研究方法
5 分析結果――「なしうること/なしえないこと」と「条件」
6 考察
第5章 利用世帯における若者の「進路希望」の形成過程
1 はじめに
2 研究目的
3 分析枠組み
4 研究方法
5 分析結果――「語り」の記述、分析
6 考察
第6章 大学等就学に向けた「資源調達」の過程
1 はじめに
2 研究目的
3 分析枠組み
4 研究方法
5 分析結果(1)――事例分析
6 分析結果(2)――事例間比較分析
7 考察
第7章 結論――「縮減」される「就学機会」
1 はじめに
2 分析結果・考察の整理
3 全体考察
4 残された課題=限界
補論――生活保護制度における大学等就学(二〇一七年度-二〇一九年度の動向)
1 はじめに――目的と方法
2 分析結果
3 結論――限定的かつ制約的な「客観的な選択肢」、再考
資料
1 学校系統図と生活保護制度
2 調査協力者の生活歴(概要)
あとがき
参考文献