生活保護制度を利用する世帯の子どもの「就学機会」、その「縮減」の条件とは何か

「縮減」される「就学機会」

生活保護制度と大学等就学

三宅雄大【著】

[定価]   本体2,800円(税別) 

[ISBN]978-4-86500-124-2 C0036
[判型]A5判並製
[頁数]288頁

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生活保護制度を利用する世帯の子どもの「就学機会」、その「縮減」の条件とは何か。
「就学機会」は自然と変化していくのではなく、他者(人間、法律、制度等)の介在によって左右される。そして、このことは、他者によって「就学機会」が「縮減」されうることとともに、他者によって「拡充」されうること――つまり、改善の可能性――をも含意する。

【目次】


序章 
 1 はじめに――「当事者の語り」/生活保護制度における大学等就学
 2 問題提起
 3 本書の目的と構成

第1章 先行研究の検討――知見と残された課題
 1 「制度研究」――生活保護制度における「就学」の取扱い
 2 貧困・低所得世帯の子どもの「大学等就学」に関する「調査研究」
 3 先行研究から得られた知見・残された課題

第2章 なぜ、「就学機会[注:機会に傍点]」なのか――研究の視点・分析枠組みと研究課題
 1 研究の視点――「目的論」と「義務論」
 2 分析枠組み――「就学機会」の三つの側面
 3 研究課題

第3章 「保護の実施要領」と「当事者の語り」
 1 「通知」分析
 2 インタビュー調査――「当事者の語り」
 3 「当事者の語り」に関する留意点
 4 B市の概要

第4章 生活保護制度における大学等就学の「条件」
 1 はじめに
 2 研究目的
 3 分析枠組み
 4 研究方法
 5 分析結果――「なしうること/なしえないこと」と「条件」
 6 考察

第5章 利用世帯における若者の「進路希望」の形成過程
 1 はじめに
 2 研究目的
 3 分析枠組み
 4 研究方法
 5 分析結果――「語り」の記述、分析
 6 考察

第6章 大学等就学に向けた「資源調達」の過程
 1 はじめに
 2 研究目的
 3 分析枠組み
 4 研究方法
 5 分析結果(1)――事例分析
 6 分析結果(2)――事例間比較分析
 7 考察

第7章 結論――「縮減」される「就学機会」
 1 はじめに
 2 分析結果・考察の整理
 3 全体考察
 4 残された課題=限界

補論――生活保護制度における大学等就学(二〇一七年度-二〇一九年度の動向)
 1 はじめに――目的と方法
 2 分析結果
 3 結論――限定的かつ制約的な「客観的な選択肢」、再考

資料
 1 学校系統図と生活保護制度
 2 調査協力者の生活歴(概要)

あとがき
参考文献