〈つながり〉は「すばらしいもの」ばかりではない。
それほどあったかいものでもなく、やすらぎを与えてくれるものばかりでもない……
ケアや支援をめぐる〈つながり〉のまよい、とまどいをかみしめて
〈つなまよ〉〈つなとま〉なフィールドワーカーの自己エスノグラフィ
〈つながり〉は「すばらしいもの」ばかりではない。それほどあったかいものでもなく、やすらぎを与えてくれるものばかりでもない……
「〈つながり〉難民」である著者自身が、〈つながり〉での〈まよい〉や〈とまどい〉に、どう向き合い、受けとめ、応じようとしてきたのか。そのドタバタぶりとめぐらせた考えをとことん描きつくした「自己エスノグラフィ」。
【目次】
序 章 ケアや支援をめぐる〈つながり〉にまよう、とまどうとき
1 はじめに
2 〈つながり〉ってなんだろう?
3 わたしの考察・記述の位置づけとしての「自己エスノグラフィ」
4 本書の構成とそれぞれの章の解説(と少し思い出語り)
第一章 子育て〈支援〉と〈つながる〉ことにこじれて──家族ケアの「私事化」と「脱私事化」とのはざまで
1 「アンタは、わたしに頼めるのか?」
2 子育てをめぐる「ケアの私事化」にこじれる、わたし
3 「脱私事化」にこじれるわたし(その1)──うけにくさ
4 「脱私事化」にこじれるわたし(その2)──うけいれられなさ
5 「ワーク・ライフ・バランス」とはいうけれど
──「ケアの私事化」と「脱私事化」とのはざまで人それぞれがもつ「家族ケア規範意識」によって引き裂かれる
6 わたしは、アナタに、たのめるのか?──「依存」を人間の基本的要件として
7 むすびに
第二章 〈わけられ〉をめぐる〈つなまよ〉〈つなとま〉
──〈わけられ〉のあらがいと、〈わけない〉なかの〈わけられ〉と
1 「がっこう」のかっこう
2 〈わけられ〉〈決めつけられ〉ることのあらがい
3 〈わけない〉なかでの〈わけられ〉
4 学校のかっこう、「みんな」と「ひとり」としての「かっこう」
第三章 ケア・支援をめぐる“むき出し”な〈つながり〉
──ケア・支援する人の“こころのパンツ”の脱ぎっぷりと暮らしぶり
1 〝こころのパンツ〟を脱ぎましょう!?
2 〝こころのパンツ〟には何がある?
3 〈自分の生きざま〉と〈集う人たちの生きざま〉を重ね合わせる
4 〈生き方〉としての宅老所「井戸端げんき」
5 〈間柄〉になることとしての〝こころのパンツ〟を脱ぐこと
6 「プライベート」な時という〝こころのパンツ〟からの脱けだし
7 〝むき出し〟な〈つきあい〉としての支援
四章の前に────支援の現場エッセイ
デイの行き帰りは、“BMW”に乗って
――ケアや支援に根づく〈あたりまえ〉を〈根っこ〉から掘り返す次世代型デイ「DAYS BLG!」
第四章 〈つながり〉の〝病み〟と〝闇〟をだきよせて」
1 はじめに
2 〈つながり〉の〝病み〟と〝闇〟──「支える側」からの〈つながり〉
3 〈つながり〉の〝止み〟──支えられる側の〈つながり〉から
4 〝密〟なる〈つながり〉と〝蜜〟なる〈つながり〉──支えられる側同士での
5 「打ち明け」をめぐって〈つながり〉にまよう、とまどう──支えられる側における「ままならなさ」
6 〈つながり〉の〝開〟と〝解〟
7 むすびにかえて──〈つながり〉の〝病み〟と〝闇〟をだきよせて
第五章 〈いのち〉をめぐる〈つなまよ〉〈つなとま〉──“ささらほうさら〟な〈いのち〉、かみしめる
1 はじめに
2 いやだあぁぁって、叫びたいんだよ
3 「安楽死で逝きたい」なんて言っちゃあ「いやだあぁぁ」
4 自分でどうこうしちゃえるものではない、〈いのち〉
5 伝うことあたわずの〈いのち〉──〝意思〟を伝えること、〝意思〟が伝わること
6 むすびに──〝ささらほうさら〟な〈いのち〉、かみしめて
第六章 〝予め、ふせぐ〟ことからのおいてけぼり
──青い空の下で、もれ出ずる〈ウンチ〉とわたしの自己エスノグラフィ
1 青い空の下、もれ出ずる〈ウンチ〉と、わたし──〝予め、ふせぎえぬ〟ことの体験
2 もれ出ずる〈ウンチ〉と、難病と、わたし──〝予め、ふせぐ〟ことに躍起になる
3 「メタボ」健診、異状あり?
4 幼きムスメのもれ出ずる〈ウンチ〉と、わたしの〝狂騒曲〟──子育てをめぐる〝予め、ふせぎえぬ〟こと
5 ケアや支援をめぐる〝予め、ふせぐ〟こと、〝予め、ふせぎえぬ〟こと
6 エコ活動は「エゴな活動」なのか?──大地を〝支援〟していない、身勝手なわたしのもれ出ずる〈ウンチ〉
7 むすびにかえて──もれ出ずる〈ウンチ〉を暮らしに織り込んでゆく
第七章 「介護予防」は人の生の〝あおり運転〟になってしまわないか?
──「介護(非)予防(無)運動(未)指導員?」への道すがら。
1 「介護予防」の内情を知るべく、いざ、「介護予防運動指導員」の道へ
2 「フレイル」予防で「健康長寿な身体」をもてるのか?
3 「筋肉」は裏切らない、のか? 「筋肉」「筋力」によりかかりすぎてはいないか?
4 「マシン」にじんましん?
5 〝はかりごと〟をめぐらしすぎ?
6 「つながり」重視になりつつある?
7 「みんな」は、「ひとつの目的(介護予防)」のために?
8 「握れば拳、開けば」
9 「介護されること」は「やってくること」でもある
10 「介護(非)予防(無)運動(不)指導員」への道へのさぐり?──脱「介護予防」への道をさぐる
第八章 〈うつる〉を、〝からかう〟?──〝オンライン・ジンメン〟をめぐる、わたしの病み(闇?)体験から
1 はじめに
2 〈うつる〉を〝からかう〟?
3 「感染る」を〝からかう〟?
4 人ひとりひとり、それぞれ、ばらばら。でも、かさなり合うことは?
5 むすびに
終 章 ケアや支援をめぐる〈つながり〉のまよい、とまどいをかみしめて
1 〈つなまよ〉で〈つなとま〉なわたしのフィールドワークは終わらない
2 〝めざす〟こと。〝すごす〟こと
3 迷惑をかける人は、「迷う人」で「惑う人」で
4 〈つながり〉としての「かさなり合い」
あとがきと謝辞