まえがき
序章 本研究の課題
1 本研究の目的
2 障害者運動の史的概観
2.1 戦前の教育保護構想と戦後の具現化 2.2 障害児者の視点に立つ運動へ
3 本研究の対象
4 本研究の見取り図
第1章 〈反優生思想〉の視座の障害学
1 はじめに
2 障害者解放運動における専門家批判
2.1 パーソンズからフリードソンへ 2.2 仮想敵としてのパーソンズ
3 障害者解放運動における親批判
3.1 近代家族論と逸脱のラベリング論 3.2 「内なる優生思想」と連帯の可能性
4 おわりに
第1部 戦前の教育保護構想と戦後の具現化──戦時期から高度経済成長期へ
第2章 教育心理学者・実践者の教育保護改革──精神薄弱教育の戦時・戦後占領期
1 はじめに
1.1 研究目的 1.2 研究方法
2 精神薄弱児の放置
3 戦時期の教育保護改革運動と精神薄弱児の社会生活能力への着目
3.1 教育保護改革運動の展開 3.2 社会生活能力の形成/知能発達
4 戦後占領期の教育改革と生活主義教育の展開
4.1 戦前の教育改革構想の継承 4.2 生活主義教育の継承と展開
5 おわりに
第3章 重症児の親の運動と施設拡充の政策論理──精神薄弱福祉の高度経済成長期
1 はじめに
1.1 研究目的 1.2 研究方法
2 重症児の存在とその処遇の社会問題化
3 重症児の親の運動の展開
4 「親の心構え」の強調
5 収容施設拡充の政策論理
5.1 社会開発の論理 5.2 親の介護義務を織り込んだ重症児対策
6 おわりに
第2部 障害児者の視点に立つ運動へ──1970年代以降
第4章 日本臨床心理学会における反専門職主義(1)──専門職であることを超えて
1 はじめに
1.1 研究目的 1.2 研究方法
2 臨床心理士資格の制定に向けた取り組み──1960年代
3 学会改革運動の開始──1970年代(1)
3.1 臨床心理士資格の制定の見直し 3.2 討論集会グループの問題提起
3.3 専門性のもつ抑圧性への批判的見解
4 心理テスト批判──1970年代(2)
4.1 心理テストのもつ抑圧性の認識 4.2 心理テストの善用の主張と就学運動の広がり
4.3 心理テストの総点検
5 心理治療批判──1970年代(3)
5.1 心理治療のもつ抑圧性の認識 5.2 心理治療の総点検
6 おわりに
第5章 日本臨床心理学会における反専門職主義(2)──専門性の限定的な肯定あるいは資格の重視へ
1 はじめに
1.1 研究目的 1.2 研究方法
2 心理職集団の専門職化──1960年代
3 専門職であることの否定──1970年代
3.1 専門性の徹底批判 3.2 専門職であることを超える
4 専門性の限定的な肯定──1980年代(1)
4.1 現場性の重視と専門性の再発見 4.2 事例検討の必要性
5 資格の重視──1980年代(2)
5.1 心理職集団の再組織化と厚生省による国家資格化 5.2 国家資格の必要性 5.3 国家資格をめぐる意見の対立
6 おわりに
第6章 先天性四肢障害児父母の会における障害認識の変容(1)──「子どものありのまま」を認める運動へ
1 はじめに
1.1 研究目的 1.2 研究方法 1.3 高度経済成長期における親の運動の主流と批判の動き
2 先天性四肢障害児父母の会の結成
3 家族/科学(原因究明)への期待──1970年代
3.1 被害者家族としての位置づけ 3.2 原因究明活動の展開 3.3 科学(原因究明)のもつ効果
4 当事者(親・子ども)/日常生活への立脚──1980年代
4.1 原因究明の行き詰まり 4.2 親と子どもの当事者性の相違 4.3 日常生活に立脚した活動の展開
5 おわりに
第7章 先天性四肢障害児父母の会における障害認識の変容(2)──優生思想と向き合う
1 はじめに
1.1 研究目的 1.2 研究方法
2 「被害という把握」のもつ効果と親たちのこだわり──1970年代
3 障害をもつ子どもの視点に立つ──1980年代(1)
3.1 子どものありのままの姿が認められるべきではないか 3.2 原因究明の行き詰まりと障害者運動の影響
3.3 子どもの視点から障害を捉え返す
4 子どもの不在──1980年代(2)
4.1 親による障害をなくす行いと親の優生思想との関係性 4.2 親の優生思想への批判
5 おわりに
終章 全体的考察
1 優生学史における〈反優生思想〉の視座
2 「戦後思想」としての障害の「社会モデル」
3 「1970年代以降の思想」としての〈反優生思想〉の視座
4 「障害学」とは何か
引用文献
あとがき