banner
border
新刊案内
NEW!
近刊案内
NEW!
既刊案内
ご購入案内
生活書院とは
お問い合わせ
生活書院ブログ
随時更新
サイト中に表示されている書籍の
価格はすべて定価(税込)です。
 
 
 
子どもとして生まれてくるはずであったのにもかかわらず、母胎の内外で生きているのにもかかわらず、死産児に包摂されてしまう存在。その生々しく生きる生に迫る。

cover006
山本由美子【著】
死産児になる
フランスから読み解く「死にゆく胎児」と生命倫理



四六判上製    272頁    本体2800円(税別)    ISBN4-86500-035-1
 (書影拡大) 
少なからぬ死産児は人為的に生成されている。精確にいうならば、生きているのに「死にゆく胎児」とみなされ、新生児と承認されない。こうした「死にゆく胎児」の来し方と行方を生命倫理的に検討し、現代の生命倫理学において看過されている〈死産児〉という領域──「死にゆく胎児」の存在をも明確にした──を顕在化させるとともにその重要性を明示する。

 

【目次】

はしがき

序 章  死産児の来し方
 
      第一節  〈死産児〉という空白の研究領域
          一 死産児とは何か
          二 「死にゆく胎児」
          三 中絶をめぐる生命倫理学と死産児
      第二節  フランスにおける死産児と生命倫理
          一 フランスにおける生命倫理
          二 胚および胎児の法的地位
          三 死産児に関する先行研究
      第三節  本書の課題と方法

第一章  「生命のない子ども」の条件およびその証明

      第一節  生まれる前に死んだ子の証
      第二節  「生命のない子どもの証明書」と「生存可能性」基準
          一 「生命のない子どもの証明書」──子の出生隠滅の歴史(民法および刑法)
          二 「生存可能性」基準──法および医学への導入
      第三節  民法典第七九条の一と「生命のない子どもの証明書」 の作成条件
      第四節  二〇〇八年二月六日の破毀院判決
          一 「生命のない子ども」の認定の仕方
          二 「生命のない子ども」と「出産」の関係
      第五節 「中絶の権利」、胚や胎児の地位、「医療廃棄物」をめぐる混乱 
      第六節  小括

第二章  医学的人工妊娠中絶(IMG)と「死産」の技法

      第一節  生きて生まれる中絶胎児
      第二節  日本における人工妊娠中絶
      第三節  フランスにおける人工妊娠中絶──犯罪化および合法化の歴史
      第四節  医学的人工妊娠中絶(IMG)の変遷──治療的理由による中絶とは
      第五節  医学的人工妊娠中絶(IMG)における胎児の適応と審議
      第六節  「死産」の技法──「胎児安楽死」と「胎児殺し」
      第七節  小括

  第三章  死産児の死体――行方と処遇

      第一節  〈人〉の死体の概念
      第二節  二〇〇五年の「管理を忘れ去られた三五一の胎児」事件──その概要と胎児の死体の行方
      第三節  胎児の死体はどのような場合に保存できるのか
      第四節  胎児の死体と焼却・葬儀(火葬/埋葬)
      第五節  胎児の死体と解剖
      第六節  問題の本質は何か
      第七節  小括

終 章  結論と今後の課題

あとがき
引用文献
事項索引