はじめに 野村茂樹
凡例
第1部 障害者差別解消法の概要
第1章 障害者差別解消法の用語解説 池原毅和
1 障害
(1)差別解消法の障害の定義 (2)医学モデルと社会モデル (3)障害問題への権利アプローチ
(4)障害関連法の障害の定義 (5)今後の課題
2 不当な差別的取扱い
(1)不当な差別的取扱いの内容 (2)障害を理由とすること (3)合理的配慮との関係
3 社会的障壁
(1)社会的障壁の定義 (2)社会的障壁の意味 (3)障害関連法における社会的障壁
4 合理的配慮
(1)合理的配慮の内容 (2)合理的配慮義務の発生に「意思の表明」は必要か
(3)過重な負担とは何か (4)合理的配慮に関する環境の整備
5 行政機関等
(1)行政機関等や事業者の定義が必要な理由 (2)行政機関等の定義 (3)将来の課題
6 事業者
(1)事業者の定義 (2)将来の課題
第2章 差別をなくしていく仕組み 野村茂樹
1 差別解消の推進に関する基本方針と対応要領、対応指針
(1)差別解消法 (2)雇用促進法 (3)差別解消法、雇用促進法で改正すべき点
2 差別解消の方策
(1)差別解消法に定める「差別を解消するための支援措置」 (2)行政による差別解消の実効性を確保するための行政措置
(3)司法による救済 (4)政府から独立した国内人権機関(人権委員会)創設の必要性 (5)罰則
第3章 関連する法
1 権利条約と差別解消法との関係 池原毅和・得重貴史
(1)権利条約の構造――障害の社会モデルと一般原則 (2)個別的な規定
(3)権利条約を実施するための仕組み (4)差別解消法との関係
2 差別解消法と雇用促進法との関係 得重貴史
3 条例と差別解消法との関係 得重貴史
(1)差別禁止条例と差別解消法との関係 (2)障害者の権利を制限する条例について
4 手話言語条例と差別解消法との関係 得重貴史
5 難病医療法 青木志帆
(1)難病者差別を解消する指針となる法律は存在しない!? (2)障害を理由とする差別を解消する際に対象となる「難病」
(3)差別の要件を考えるときに気をつけること――「不当な差別的取扱い」編
(4)差別の要件を考えるときに気をつけること――「合理的配慮の不提供」編
第2部 Q&A 障害者差別解消法
第1章 移動・施設利用における差別と合理的配慮 大瀧靖峰・黒岩海映・黒嵜隆
Q1 他のお客さんに迷惑をかけたりトラブルを起こすのではないかということを理由にネットカフェの利用を拒否されました。
Q2 聴覚障害があることを理由に、旅館での宿泊を断られてしまいました。
Q3 障害者割引の利用者はジェットコースターを利用できないといわれました。
Q4 車いすを利用していますが、最寄りの駅にエレベーターがありません。
Q5 精神障害があると飛行機に一人で搭乗できないのですか?
Q6 行ってみたかったレストランに行ったのですが、入口に3段の段差があり、店員の協力がなく入店できません。
Q7 じっとしていられない子どもを床屋に連れていきたいのですが、配慮を要求できるでしょうか。
第2章 情報保障 田門 浩・大胡田 誠
Q8 聴覚障害があることを理由に、地域の集会があることを知らせてくれませんでした。
Q9 役所からの手紙の内容が難しく理解できません。
Q10 講演会に行きたいので手話通訳の有無を問い合わせたら自分で手配するように言われました。
Q11 要約筆記が大まかすぎて、講演の内容を正確に把握できませんでした。
Q12 銀行のタッチパネル式のATMが使えずに困っています。
第3章 雇用・労働における差別と合理的配慮 田中伸明・向川純平
Q13 募集条件に運転免許証の所持がある場合、視覚障害者は応募できないのでしょうか。
Q14 就職面接の際、誰かに同席してもらうことはできますか。
Q15 就職面接の際、手話通訳者を自分で手配しなければならないのでしょうか。
Q16 契約期間の定めがない正社員の採用枠では障害者を雇用しないこととしました。このような方針に問題はないでしょうか
Q17 午前中のシフトを外してほしいのですが、会社は午前10時からならシフト変更に応じるとしています。
Q18 作業所で休む間もなく働いていますが、工賃を月1万円程度しかもらえていません。
Q19 社員が車いす利用者になりました。会社の入口にスロープを付けなければいけないでしょうか。
Q20 自分の障害を理解してもらった上で、仕事を続けるにはどうすればよいですか。
Q21 事故で障害を負った場合、仕事をやめなければならないのでしょうか。
Q22 精神疾患にかかった社員をすぐに解雇にすることはできますか。
第4章 教育における差別と合理的配慮 大谷恭子・柳原由以・山田恵太
Q23 障害があると特別支援学級にいかなければならないのでしょうか。
Q24 普通学校に行きたいなら、保護者が毎日付き添いすることが条件だと言われました。
Q25 車いすを利用していることを理由に修学旅行を辞退するように言われました。
Q26 介助員を要求したら、市には予算もないし、県立の特別支援学校へ行くように言われました。
Q27 人より書くことに時間が掛かるので試験時間の延長を認めてほしいのですが、不公平だと認めてくれません。
Q28 プリントや試験問題にルビふりをしてもらうことはできますか。その場合、成績評価はどうなりますか。
Q29 知的障害があると普通高校には行けないのでしょうか。
Q30 校則がある以上、女性は女性ものの制服を着なければいけないのでしょうか。
第5章 地域生活をおくる上での差別と合理的配慮 藤岡 毅・長岡健太郎
Q31 グループホーム建設には周辺の住民の同意が必要なのでしょうか。
Q32 自立生活を希望する私に行政担当者と両親は施設に入れと反対します。
Q33 目が見えないからとアパートを貸してもらえません。
Q34 視覚障害のため、自治会の清掃活動に参加できません。
第6章 医療における差別と合理的配慮 池原毅和
Q35 障害を理由に入院時に特別な付き添いを求められ手術後すぐに退院か転院を求められました。
Q36 知的障害を理由に本人には医療の説明をしてくれませんでした。
Q37 受診の際の合理的配慮として順番待ちの繰り上げなどを求められますか。
Q38 精神障害を理由に強制入院させられました。
第7章 政治参加における差別と合理的配慮 関哉直人
Q39 成年後見制度を利用すると選挙権がなくなるのですか。
Q40 投票所のスロープが工事中で投票所に入れません。
Q41 文字が書けないのですが、投票することはできますか。
Q42 施設で生活しているのですが、どのように投票すればいいか分かりません。
第8章 司法における差別と合理的配慮 辻川圭乃
Q43 手話の動作を暴行と誤解され、逮捕されてしまいました。
Q44 警察官が息子の発達障害を理解せず一方的に相手の言い分を押し付けます。
Q45 刑務所の規則が理解できず、懲罰を繰り返し受けてしまいます。
Q46 受刑前に主治医から出してもらっていた薬を出してもらえません。
Q47 裁判所から何か送られて来たのですが、何の書類かわかりません。
第9章 所得補償や財産権についての差別と合理的配慮 東 奈央
Q48 私の障害は比較的軽度ですが、障害年金「3級」の支給を受けられますか?
Q49 障害年金支給要件は、住んでいる地域によって格差がありますか?
Q50 引きこもりの子どもと同居しています。生活保護を受けられますか?
Q51 身体障害者で、車が必要です。車を売却せずに生活保護を受けられますか?
おわりに 池原毅和
資料
1 障害を理由とする差別の解消の推進に関する 法律
2 施行令、施行規則
3 基本方針、対応要領、対応指針ほか参考URLリスト
4 各府省庁の主な連絡・相談窓口一覧
5 差別禁止条例等の一覧