はしがき
序 章
1. 問題設定と目的
2. 先行研究の検討
3. 用語の解説
4. 研究方法
5. 本論文の構成
第1章 日本のろう教育は手話をどのように位置づけてきたか
1. はじめに
2. 戦前のろう教育における手話論
2.1. 口話主義者からみた手話論
2.2. 高橋潔の手話論
3. 戦後のろう教育における手話論
3.1. 手話妨害論
3.2. 手話も必要論
3.2.1. 聴覚口話法の限界を補う手段
3.2.2. コミュニケーション手段としての手話
4. ろう教育における手話のありかた──同時法的手話の登場
4.1. 同時法的手話の登場
4.2. 「同時法的手話」からみた「伝統的手話」
5. 手話コミュニケーション研究会による「日本語対応手話」
6. 日本手話と日本語対応手話の区別について
7. おわりに
第2章 日本手話によるろう教育をめざしてⅠ──フリースクール「龍の子学園」開校前史
1. はじめに
2. 日本のろう教育を取り巻く状況
2.1. 1980年代以前のろう教育
2.2. 1980年代後半の運動──「ろう教育に手話を」
2.3. バイリンガルろう教育の輸入と人工内耳
3. Dプロの発足とろう文化運動
4. Dプロろう教育チームの設立と活動
4.1. Dプロろう教育チームの設立背景
4.2. Dプロろう教育チームの結成
4.3. 「フリースクール」との出会い
4.4. 成人ろう者とろう児が出会う場所としてのデフフリースクール
5. おわりに
第3章 日本手話によるろう教育をめざしてⅡ──フリースクール「龍の子学園」開校とその展開
1. はじめに
2. 龍の子学園の概要と展開過程
3. 龍の子学園がめざしたろう教育のあり方
3.1. 龍の子学園の理念「人間教育を!」
3.2. 共通言語としての日本手話
3.3. 既存のろう教育を変えるための活動
4. 「聴者がろう児に教える」から「ろう者がろう児に教える」へ
4.1. ろう者と聴者の役割分担
4.2. ろう者がろう児に教える
5. おわりに
第4章 学校法人「明晴学園」の設立とその特色
1. はじめに
2. 学校法人「明晴学園」の開校経緯
2.1. 構造改革特別区域の教育特区
2.2. ろう児の人権救済申立
2.3. 学校設立に必要な資金を確保するための保護者の募金活動
2.4. 校地・校舎/教育課程/教員の確保
2.5. 明晴学園という校名
3. 明晴学園の概要と特徴
3.1. 明晴学園の教育活動
3.2. バイリンガルろう教育をささえるための活動
4. おわりに
第5章 日本手話によるろう教育に立ちはだかるもの──聴能主義
1. はじめに
2. 聴覚障害の早期診断・早期療育の医療化
2.1. 新生児聴覚スクリーニング検査の導入
2.2. 人工内耳の低年齢化
2.3. 先天性難聴の遺伝子検査の普及
3. 障害の社会モデルからの検討
3.1. 「聴能主義」という用語
3.2. バリアは社会のほうにある
4. 医療偏重がろう教育にもたらしているもの
4.1. 手話の習得・伝承・維持という問題
4.2. 「聴覚」を支援する学校
5. おわりに
第6章 バイリンガルろう教育の再検討──日本語能力主義をこえて
1. はじめに
2. ろう教育における日本語指導
2.1. ろう教育の専門家がみたろう児の日本語の読み書き能力
2.2. 聴能主義と日本語指導
3. 識字研究からみた日本語指導
4. 社会言語学からみた日本語指導──だれのためのバイリンガル教育なのか
5. 言語権からみたバイリンガルろう教育
6. おわりに
終章
1. 総括
2. 日本手話によるろう教育を広げていくために
あとがき
初出一覧
参考文献