はじめてのご挨拶となります。
〈生活書院〉という名前の出版社です。
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〈生活〉という名付けには、こんな意味を込めています。
ひとつには文字どおり、「生きることが活きる」ための出版を目指すということ。「生きる」という、当たり前で、だけれども可能な限り充足したものであるべきことが、不当に扱われていたりする人びとや事柄についての、まっとうな異議申し立てや、オルタナティブな枠組みをつくる営みを、出版という形で表現していくということです。
もうひとつは、研究者や学生の皆さんだけではなく、その枠を超えて、「生活者」にきちんと届き、読まれる、言葉を変えていうなら、当事者性から無縁ではない実践的な知を、形にしていきたいということです。
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社会学、障害学、社会福祉、子ども、マイノリティ、支援、医療、環境、人権といった言葉が喚起する問題領域に軸足を置いて、出来得るなら、書き手、作り手、読み手のすべてにとって得心のいく本を世に送り出していきたい。
そうした意気込みで、これまでの経験も生かしながら、新たな仕事をはじめ、そして持続していきたいと思います。
書き手と、読み手。すでに出会っている人も、まだ出会っていない人も、この二つの場所にいて、私たちを応援してくださる多くの方がたの存在抜きには、出発も持続も展開もあり得ません。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
2006年9月
代表して 高橋 淳