プロローグ
序章 顔にあざのある女性たちの苦しみを可視化する――「問題経験の語り」の社会学に向けて
本書の課題
研究のスタート地点――個人的経験とひとつの出会いから
本書の構成
第1章 異形がもたらす心理的・社会的困難――先行研究の検討
異(いけい) 形とは何か
異形の人々が抱える心理的・社会的困難
ゴフマンのスティグマ論
本書の視点と方法
第2章 問題経験を聞き取る――ライフストーリー研究の方法論的視座
ライフストーリーを聞く意義
構築主義的なライフストーリー研究法
妥当化という評価基準
「書くこと」と政治性
調査の概要とライフストーリー分析の視点
第3章 隠して生きるのはつらい――Aさんのライフストーリー
カムフラージュメイク以前の問題経験
転機としてのカムフラージュメイク
カムフラージュメイク以後の問題経験
カムフラージュメイク以後の問題経験への対処法
現在進行形の問題経験
Aさんへのインタビュー調査の過程
第4章 内面も人より劣っているのではないか――Bさんのライフストーリー
個人的な努力以前の問題経験
個人的な努力による対処
個人的な努力以後の問題経験
転換点としてのセルフヘルプ・グループ
セルフヘルプ・グループの意味
Bさんへのインタビュー調査の過程
第5章 普通じゃないっていう意識は死ぬまで変わらない――Cさんのライフストーリー
重要な出来事
対処としての手術
対処としての仕事
対処としての恋愛
三つの対処法を経た現在
Cさんへのインタビュー調査の過程
第6章 異形を生きる――問題経験と対処法
五つの問題経験――自己・家族・社会
問題経験への対処
対処は〈克服〉ではない
第7章 異形は美醜の問題なのか――インタビュー調査過程の検討
問題経験をめぐるリアリティ定義
リアリティ定義の齟齬
リアリティ定義の競合
リアリティ定義の変更
構えはインタビューを規定する
批判の回路を内蔵するインタビュー調査
終章 問題経験を軽減するために――社会的認知と対面的相互行為に注目して
異形という問題の可視化のために
当たり前の相互行為をごく当たり前に
エピローグ
あとがき
文献一覧