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【Web連載】
生命倫理学会の大会で
連載:予告&補遺
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立岩 真也
(2013/01/07)
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昨年出してもらった
『生死の語り行い・1――尊厳死法案・抵抗・生命倫理学』
の宣伝やらしている。ここでは、それをなんで、ばたばたと急いで、10月末(10月31日発行と奥付ではなってるが、現物はもうすこし前にできた)に出してもらったかについて。
昨年の10月27日と28日、「日本生命倫理学会」という学会の大会が私の勤め先(立命館大学)を会場に、あった。私は、「対会長」というものになったのだが、いろいろとあ(悪)しく、謙遜でもなんでもなく、まったく文字通り、なんにもできず、しなかった。
ただ、「大会長講演」というものがあり(これはある学会とない学会がある、私が知っているところはないところが多いかと)、それはせねばならなかった。本番は27日だったが
◇2012/10/20 「飽和と不足の共存について」(大会長講演要旨)
『日本生命倫理学会第24回年次大会予稿集』 p.26
http://www.arsvi.com/ts/20120045.htm
というものも書かねばならず、そして、その報告というのも書かねばならず、昨日、締切り過ぎて、お送りした。学会のニューズレターに載るようだ。
◇
http://www.arsvi.com/ts/20130005.htm
ついでに、「大会長挨拶」というのも
大会のHP
他に載せるためにやはり書かねばならず、書いた。
◇
http://www.arsvi.com/ts/20120011.htm
これらをざっと見ていただけると、なんで本を出してもらったか、なんとなくわかってもらえるかと思う。
さらについでに、もう一つ、この学会の大会にはいくつかの種類のシンポジウムがあって(これも学会によって様々)、その一種類は開催校側の企画によるもので(他に公募のものもある)、私も一つ担当することになった。といっても、やはり私はとくになにかしたわけでなく、「生存学と死生学」というタイトルも決めてもらったようなものだった。
ただこれにはもとがあるにはあって、私たちが「グローバルCOE〈生存学〉創生拠点」というものをやっていた時(2007〜2012年度)、ほぼ同じ時期、同じCOEで東京大学の
「死生学の展開と組織化」
というのがあった。そこの人たちと2009年の9月に
「死生学と生存学――対話・1」
というシンポジウムを東京で、2010年の10月に
「生存学×医療の哲学×生命倫理学――安楽死を巡る学説の展望と課題」
というシンポジウムを京都で行なった。(前者については全部の記録がHPに掲載されている。後者については――今回の学会の大会のために膨大な時間を費やすことになった(現在は下記のセンターの――ただしくは「立命館大学衣笠総合研究機構」の――「特別招聘准教授」をしている――
堀田義太郎
が報告してくれている。ただ、今回の学会のシンポジウムの報告を書かなければならなかった時にも思ったのだが、人は、すくなくとも私は、たいがいのことは忘れる。記録はとっておくものだ。やってみないと全部の記録を残す意味があるかどうかはわからないが、ひとまず録音はしておくものだ。)
ちなみにCOEとは Center of Excellence という恥ずかしい語の略で、選定されたところ(プログラム)に文部科学省がかなりまとまった――といっても、私たちのところは少なめの額で申請したら、どこもおおむね半額査定といったところで、さらに少なくなったのだが――資金を提供するもので、「事業仕分け」でその制度自体がなくなった。(こちらは、今はCOEの開始の前から始めている、大学の「生存学研究センター」が継続していて活動している。その活動については上記、2009年のシンポジウムの頭の方で私が説明している。)その東京大学の「死生学」の方の中心メンバーの一人が
清水哲郎
だったのだが、私も清水も「ホスト」のような役回りであったこともあって、ほとんど自分で話をすることができなかった。また、多人数が限られた時間に話をするシンポジウムではなかなかすべき話ができないことも感じてきた。それで今回は、基本、清水と私が話をするというかたちにしてみた。それでもいろいろと――というのは正確なところを思い出せないからだ――残った気がした。それで報告を書くのも苦労するぐらいだったのだが、ともかく書くには書いた。シンポジウムの前に書いた文章も含めて、ご参考まで。
◇2012/10/20 「大会企画シンポジウムU・概要」
『日本生命倫理学会第24回年次大会予稿集』 p.31
http://www.arsvi.com/ts/20120043.htm
◇2012/10/20 「対論のために」(大会企画シンポジウムU・発表要旨)
『日本生命倫理学会第24回年次大会予稿集』 p.32
http://www.arsvi.com/ts/20120044.htm
◇生命倫理学会第24回年次大会大会企画シンポジウムU報告
http://www.arsvi.com/ts/20130006.htm
さて、宣伝している
『生死の語り行い・1』
の第T章・第U章・第W章の、私自身のも含む文書、紹介している著作の幾つかにおける否定的・批判的な感じと、第V章における功利主義による肯定――こうした異なりが存在すること自体がその大会で知らせたかったことの一つであり、それでこのような構成の本を考えついて、出してもらった――との関係はどうなっているのか。そういう問いがあると前にも記した。直接にはそれについてこの「連載」ではまだ何も言っていない。共著者の
有馬斉
(かつて上記の私たちのCOEのポストドクトラル・フェローを務め、2012年度から横浜市立大学の教員になっていて、こちらのセンターでの客員研究員でもある)による功利主義(による正当化)の紹介の仕方がどうか、うまくいっているのかという論点もあるだろう。そのことについてはいずれまた、ということにさせていただくが、まず一つ、下の本の紹介の欄で前回(と前々回――2回続けて同じ本を掲載し、かつ写真をまちがってしまったのは、こちらのたんなるミスです、がまあよいでしょう、画像の取り違えはなおします)紹介した本の著者でもある
児玉真美
さんによる
2012年12月14日付の感想
にリンクさせてもらっておく(他の言及・紹介も本の頁に集めて掲載・リンクさせてある)。
■生活書院の本(3つずつぐらい)
※『生存学』創刊号には、長い座談会(一度にやりました)が 三つに分けて収録されており、そこには
安楽死・尊厳死
が「専門」の――そしてその 昨年の大会の実行委員長だった――
大谷いづみ
が参加していることもあって、その主題についての言及がかなりあります。ただ、出版社的にはほぼ売り切れで、私のてもとにいくらか(しかし、かなり)あります。直接ご注文ください(→立岩
TAE01303@nifty.ne.jp
◆立命館大学生存学研究センター 編 20090225
『生存学』1
,生活書院,414p. ISBN-10: 4903690350 ISBN-13: 978-4903690353 \2310
[amazon]
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[kinokuniya]
◆日比野 由利・柳原 良江 編 20110625
『テクノロジーとヘルスケア――女性身体へのポリティクス』
,生活書院,208p. ISBN-10: 4903690776 ISBN-13: 978-4903690773 2625
[amazon]
/
[kinokuniya]
◆立岩 真也・有馬 斉 20121031
『生死の語り行い・1――尊厳死法案・抵抗・生命倫理学』
,生活書院,241p. ISBN-10: 4865000003 ISBN-13: 978-4865000009 \2000+
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[kinokuniya]
連載:予告&補遺
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